経済学・経済政策 H19年度 第1問

第1問

下図は、日本の実質GDP 成長率とGDP デフレータの長期統計を表したもので ある。この図の説明として最も適切なものはどれか。

第1問の図
  1. 1950年代後半以降、日本経済は高度成長期に入るが、1960年代後半は「神武景 気」と呼ばれる長期の景気拡大が見られた。
  2. 1970年代前半、第次石油ショックの影響を受けて、物価の上昇と景気後退 の併存現象が見られ、日本経済は「スタグフレーション」に見舞われた。
  3. 1980年代には、ブレトンウッズ体制崩壊の影響を受けて為替レート制の変更 が生じ、日本経済は低成長時代に入った。
  4. 2000年代に入ると、日本経済がデフレ傾向にあることが読み取れ、名目GDP 成長率が実質GDP 成長率を上回る現象が見られた。 ― 1― ◇M1(023―3)
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正解:

解答:イ

〔リード〕日本の実質GDP成長率とGDPデフレータの長期推移を、戦後の景気局面と対応させて読む問題。各選択肢の経済史的事実と図の特徴を照合する。

  • ア(×):1950年代後半以降の高度成長は正しいが、長期の景気拡大として知られる「いざなぎ景気」(1965〜70年)が1960年代後半に該当する。「神武景気」は1954〜57年の景気拡大を指し、1960年代後半の事象ではない。名称の対応が誤り。
  • イ(○):1973年の第1次石油ショックを契機に、物価上昇(高インフレ)と景気後退・マイナス成長が同時に進行する「スタグフレーション」が日本経済に発生した。1974年には戦後初の実質マイナス成長と「狂乱物価」が観察され、図のデフレータ急上昇と成長率の落ち込みに対応する。正しい。
  • ウ(×):ブレトンウッズ体制の崩壊(固定相場制の崩壊・変動相場制移行)は1971年のニクソン・ショックから1973年にかけての出来事であり、1980年代ではない。1980年代の日本はむしろバブル景気に向かう局面で、低成長時代の主因をブレトンウッズ崩壊とするのは時期・因果ともに誤り。
  • エ(×):2000年代の日本経済がデフレ傾向にあったこと自体は正しいが、デフレ下ではGDPデフレータが下落するため、名目GDP成長率は実質GDP成長率を「下回る」。「名目が実質を上回る」とする記述は逆であり誤り。

よって

#GDP・国民経済計算#国際マクロ・為替#物価・インフレ

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