企業経営理論 H19年度 第17問

第17問

動機づけの過程理論と呼ばれるものには、目標設定理論(goal-setting theory)や 公平理論(equity theory)、期待理論(expectancy theory)などがある。これらの理 論に関する記述として最も適切なものはどれか。

  1. 期待理論によると、ある努力をした結果高い成果が生まれたにもかかわらず、 低い報酬しか得られなかった場合、従業員は報酬の誘意性に関する主観確率を高 く見積もる傾向がある。
  2. 公平理論によると、時間給制度のもとで、過大な報酬をもらっていると感じて いる従業員は、公平な報酬を得ている従業員と比較して生産量を減らそうとす る。
  3. 公平理論によると、出来高給制度の下では、過大な報酬をもらっていると感じ ている従業員は、公平な報酬を得ている従業員と比較して生産量を低く抑え、品 質を高くするよう努力する。
  4. 目標設定理論によると、従業員が目標の設定に参加した場合のほうが、目標が 与えられた場合と比べ、高い業績を達成すると考えられる。
  5. 目標設定理論によると、従業員により困難な目標を与えたほうが、高い業績を 生むと期待される。 ― 22― ◇M3(023―63)
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正解:

解答:ウ

〔リード〕動機づけの過程理論(目標設定理論・公平理論・期待理論)に関し「最も適切」な記述を選ぶ。選択肢は順にア・イ・ウ・エ・オ。

公平理論(アダムス)では、自分の報酬を不公平と感じると公平を回復しようと行動を調整する。過大報酬を感じる場合、時間給では「量」を増やす(質より量で貢献を増やす)、出来高給では「質を高め量を抑える」(量を増やすと過払い感が増すため、品質向上で公平を図る)という方向に調整する。

  • ア(×):期待理論では、高い成果に対し低報酬しか得られなければ、報酬の誘意性(誘発性)や手段性に関する期待・主観確率はむしろ低下する。「高く見積もる」は逆で誤り。
  • イ(×):時間給で過大報酬を感じる従業員は公平回復のため生産量を「増やす」。「減らそうとする」は逆で誤り。
  • ウ(○):出来高給で過大報酬を感じる従業員は、量を増やすと過払い感が増すため生産量を低く抑え、品質を高めることで公平を回復しようとする。公平理論の説明として正しい。
  • エ(×):目標設定理論では目標設定への参加が常に高業績を生むとは限らず、研究結果は一貫しない。受容されれば与えられた目標でも同等の効果が得られるため、「参加した場合のほうが高い業績」と断定するのは適切でない。
  • オ(×):目標設定理論では困難な目標ほど高業績につながりやすいが、それは目標が受容され達成可能と認識される範囲においてである。無条件に「困難な目標を与えたほうが高業績」と言い切るのは不適切。なお本問では公平理論のウが最も適切な記述として正解とされる。

よって

#モチベーション理論#人的資源管理

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