第17問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 株式を上場するためには、上場を申請する証券市場を開設する証券取引所が定め た上場基準に適合しなくてはならない。一定の数値や一定の事実の有無によって判 定できるいわゆる形式的な要件を充足した会社が、当該取引所による事業内容や経 営体制、開示体制等に関する実質的な審査を受ける。前者の形式的な要件を形式基 準、後者の実質的な審査の考え方を実質基準と呼ぶことがある。 形式基準は、 A 、株主数、時価総額などの株式の流通や株価形成の確保 のための項目や、利益の額、純資産の額などの財務数値的な項目のほか、審査資料 として提出される財務諸表等に虚偽記載が行われていないこと、財務諸表等に添付 される公認会計士等の監査意見が適正であることや株式の事務代行機関の設置など に適合する必要がある。それぞれの項目や具体的な数値は各市場によって異なって いる。 (
設問1
) 文中の空欄Aに入る最も適切なものはどれか。
- ア 安定株式数
- イ 株式数
- ウ 債権者数
- エ 取引先数 ― 24― ◇M5(023―127) (
設問2
) 文中の下線部について、東京証券取引所マザーズ市場、大阪証券取引所ヘラク レス市場グロース基準、ジャスダック証券取引所ジャスダック市場の上場審査基 準としての形式基準の説明として、最も不適切なものはどれか。
- ア ジャスダック市場では、原則として直前事業年度に当期純利益が計上されて いるか、経常利益が一定額以上であることが必要である。ただし、上場日にお ける時価総額が一定額以上となる見込みのある場合にはこれらの利益金額は問 わない。
- イ ヘラクレス市場グロース基準では、一定金額以上の純資産の額または上場時 時価総額または利益の額のいずれかの項目に適合することが必要である。
- ウ マザーズ市場では、利益の額の項目はないが、一定額以上の純資産の額の項 目に適合する必要がある。
- エ マザーズ市場、ヘラクレス市場グロース基準、ジャスダック市場のいずれに おいても株主数は上場時に最低の条件でも300人以上必要である。 ― 25― ◇M5(023―128)
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正解: 設問1 イ 設問2 ウ
解答:設問1=イ、設問2=ウ
〔リード〕株式上場の形式基準・実質基準に関する事例。形式基準には株式の流通・株価形成確保のための項目(株式数・株主数・時価総額等)と財務数値的項目(利益・純資産等)がある。新興市場(マザーズ・ヘラクレス・ジャスダック)の上場審査基準を問う。
設問1(空欄A):イ
- ア(×):「安定株式数」は流通株式数とは逆の概念で、株式の流通・株価形成確保のための形式基準項目として文脈に合わない。
- イ(○):空欄Aは、株主数・時価総額と並ぶ「株式の流通や株価形成の確保のための項目」であり、流通する株式の数(株式数)が入る。最も適切。
- ウ(×):債権者数は株式の流通・株価形成とは関係せず、上場形式基準の項目ではない。
- エ(×):取引先数も株式の流通・株価形成の項目ではなく、文脈に合わない。
設問2(新興市場の形式基準・最も不適切なもの):ウ
- ア(○・正しい):ジャスダック市場では、原則として直前事業年度に当期純利益が計上されているか、経常利益が一定額以上であることが必要だが、上場日における時価総額が一定額以上となる見込みがある場合にはこれら利益金額は問わない取扱いがある。正しい記述。
- イ(○・正しい):ヘラクレス市場グロース基準では、一定金額以上の純資産の額・上場時時価総額・利益の額のいずれかの項目に適合すればよい(成長性を重視した基準)。正しい記述。
- ウ(×・不適切=正解):マザーズ市場は成長企業向けの市場であり、利益の額の項目も純資産の額の項目も上場の必須要件とはしていない。「一定額以上の純資産の額の項目に適合する必要がある」とするのは誤りで、最も不適切。
- エ(○・正しい):マザーズ・ヘラクレス・ジャスダックのいずれの市場でも、株主数は上場時に最低でも300人以上が必要とされている。正しい記述。
よって 設問1=イ、設問2=ウ。