経営法務 H19年度 第14問

第14問

日本の企業Aが海外の企業B と国際商取引をする場合において、最も適切なもの はどれか。 なお、各語句の意味は、国際商業会議所により作成された国際商取引慣習として 使用されている貿易取引条件の解釈に関する国際規則であるインコタームズの 「Incoterms 2000」に従うものとし、特に文中に明示されているもの以外は、当事者 間で特約はないものとする。

  1. CIF とは、Cost, Insurance and Freight の略語であって、売買契約上定められ た船積港において、売主が船舶に目的物を船積みすることによって売主の引渡義 務が完了し、売主が指定仕向港までの海上運賃と海上保険料を負担しない取引条 件をいう。
  2. FOB Osaka の条件であれば、大阪港が引渡場所となり、危険負担について は、この売買契約上定められた船積港において、物品が本船の舷側に設けられた 手すりを横切って通過した瞬間に、売主から買主に移転する取引条件になる。
  3. 売買契約上、物品の引渡が「海上および内陸水路輸送」以外で行われる取引を予 定している場合は、FOB、CIF いずれの条件によっても合意することができず、 買主によって指定された運送人に引き渡すという合意をするほかない。
  4. 弁済すべき場所について民法の原則は取立債務であるため、売買契約上、引渡 義務の履行のためには売主が買主に送付すべきと合意されている場合には、目的 物である物品が目的地に到達して、そこに買主が受領できる状態に至ってはじめ て物品が特定する。 ― 20― ◇M5(023―123)
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正解:

解答:イ

〔リード〕インコタームズ2000の貿易条件の解釈を問う。FOB・CIFはいずれも在来船による海上・内陸水路輸送向けの条件で、危険負担の分岐点は「物品が本船の手すり(ship’s rail)を通過した時点」である。CIFでは売主が仕向港までの運賃・保険料を負担する。

  • ア(×):CIF(Cost, Insurance and Freight)では、危険負担の移転は船積港で本船手すりを通過した時点だが、費用としては売主が指定仕向港までの海上運賃と海上保険料を負担する条件である。「海上運賃と海上保険料を負担しない」とする記述は誤り(CIFのIとFがまさに保険料・運賃を意味する)。
  • イ(○):FOB(Free On Board)Osakaであれば大阪港が引渡場所となり、危険負担は売買契約で定めた船積港において物品が本船の舷側の手すりを横切って通過した瞬間に売主から買主へ移転する。インコタームズ2000のFOBの解釈として正しい。
  • ウ(×):FOB・CIFは海上・内陸水路輸送向けの条件であるが、海上輸送以外の場合に運送人引渡し(FCA等)の合意「しかできない」わけではない。インコタームズには輸送手段を問わず使えるFCA・CPT・CIP等が用意されており、「FOB・CIFいずれによっても合意できず…ほかない」という限定は誤り。
  • エ(×):弁済すべき場所について民法の原則は「持参債務」であり、特定物・取立債務とする記述は誤り。送付すべき旨が合意されている場合の特定の時点に関する説明も民法の原則と整合しない。

よって

#民法・契約・PL#国際法務・契約英語

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