経営法務 H19年度 第2問

第2問

以下の内容のA株式会社の現在事項全部証明書がある。この現在事項全部証明書 だけから分かる内容として最も適切なものを下記の解答群から選べ。 なお、現在事項全部証明書発行時において、登記事項はすべて適法に登記されて いるものとする。 現在事項全部証明書 東京都〇〇区〇〇一丁目〇〇番〇〇号 A株式会社 会社法人等番号(略) 商 号 A株式会社 本 店 東京都〇〇区〇〇一丁目〇〇番〇〇号 公告をする方法 官報に掲載してする。 会社成立の年月日 昭和56年〇〇月〇〇日 目 的 (略) 発行可能株式総数 60万株 発行済株式の総数 並びに種類及び数 発行済株式の総数 49万5000株 株券を発行する旨 の定め 当会社の株式については、株券を発行する。 (登記日等略) 資本金の額 金億9500万円 役員に関する事項 取締役B 平成18年月30日重任 平成18年月10日登記 取締役C 平成18年月30日就任 平成18年月10日登記 (中略) 取締役H 平成19年月29日就任 平成19年月9日登記 東京都△△区△△二丁目△番△号 代表取締役H 平成19年月29日就任 平成19年月9日登記 監査役I 平成17年月28日就任 平成17年月7日登記 監査役J 平成17年月28日就任 平成17年月7日登記 取締役会設置会社 に関する事項 取締役会設置会社 (登記日等略) 監査役設置会社に 関する事項 監査役設置会社 (登記日等略) これは登記簿に記録されている現に効力を有する事項の全部であることを証明 した書面である。 平成19年月日 東京法務局 登記官 K 印 ― 2― ◇M5(023―105)

  1. この会社が、公開会社(会社法第条第号)であるかどうかは、この現在事 項全部証明書からは分からない。
  2. この会社では、株主総会決議によらないで、取締役会決議のみで、毎期の剰 余金の配当(中間配当を除く)を行うことはできない。
  3. この会社に支店が設置されているかどうかは、この現在事項全部証明書から は分からない。
  4. この会社は、大会社(会社法第条第号)である。
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正解:

解答:イ

〔リード〕現在事項全部証明書の記載内容から会社の機関構成・株式の性質等を読み取る問題。証明書には「株券を発行する旨の定め」「取締役会設置会社」「監査役設置会社」の登記があり、資本金は1億9500万円である。

  • ア(×):公開会社とは、その発行する全部または一部の株式について譲渡制限を設けていない会社をいう(会社法2条5号)。譲渡制限の定めは登記事項であり、証明書に「株式の譲渡制限に関する規定」の記載がない以上、譲渡制限がない=公開会社であることが読み取れる。「分からない」とはいえない。
  • イ(○):剰余金の配当を取締役会決議で行うには、会計監査人設置会社であり、かつ取締役の任期が1年であるなどの一定の要件のもと定款に定めが必要である(会社法459条)。本証明書には会計監査人設置会社である旨の登記がないため、この会社では株主総会決議によらず取締役会決議のみで毎期の剰余金配当を行うことはできない。正しい記述である。
  • ウ(×):支店の所在地は登記事項であり、支店が設置されていれば証明書に記載される。記載がない以上、支店は設置されていないことが分かる。「分からない」とするのは誤り。
  • エ(×):大会社とは資本金5億円以上または負債総額200億円以上の会社をいう(会社法2条6号)。本会社の資本金は1億9500万円であり、負債総額は証明書に記載されないため大会社かどうかは資本金だけからは断定できないが、少なくとも資本金要件は満たさない。「大会社である」と断定するのは誤り。

よって

#会社の種類・設立#株式・機関#計算・配当

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