5Aモデルとは
5Aモデルとは、フィリップ・コトラーが2017年の著書『マーケティング4.0』で提唱した、デジタル時代の新しい顧客行動モデルです。従来の4A(Aware→Attitude→Act→Act Again)を再構築し、「Aware(認知)→ Appeal(訴求)→ Ask(調査)→ Act(行動)→ Advocate(推奨)」の5段階で構成されます。
5つのAの詳細
①Aware:ブランドの存在を知る(過去の経験、広告、口コミなどから)。②Appeal:ブランドに惹かれる(数あるブランドの中から印象に残る)。③Ask:積極的に調べる(ネット検索、友人に聞く、店頭で確認)。④Act:購入する(購入体験全体の設計が重要)。⑤Advocate:他者に推奨する(口コミ、レビュー、SNS投稿)。
AIDMAやAISASとの違い
5Aの最大の特徴は、最終ゴールが「購入」ではなく「推奨(Advocate)」に置かれている点です。すべての顧客がすべてのステップを経る必要はなく、段階を飛ばしたり逆戻りしたりする「非線形」なプロセスとして設計されています。
BAR・PAR・BARの指標
コトラーは5Aの効率を測る指標として、PAR(Purchase Action Ratio:認知から購入への転換率)とBAR(Brand Advocacy Ratio:認知から推奨への転換率)を提案しています。BARが高い企業は口コミによる成長が期待できます。
具体例・事例
5Aモデルは、デジタル時代に顧客が推奨者(アドボケイト)へと育つ流れを描くときに使われます。各段階を意識すると、施策の抜け漏れに気づきやすくなります。
- Aware(認知):SNS広告や口コミでブランドを初めて知る段階。
- Ask(調査):友人に質問したりレビューサイトで比較検討する段階。
- Advocate(推奨):満足した顧客が自らSNSで紹介し、次の認知を生む段階。
どんなときに使う?(活用シーン)
5Aは、認知から推奨までのどこが弱いかを見える化し、改善の優先順位をつけるのに役立ちます。
- 各段階での顧客の声を集め、つまずきポイントを特定する。
- 「Ask(調査)」対策として、よくある質問や比較情報を充実させる。
- ある美容室では、施術後にSNS投稿を促す声かけを行い、推奨の流れを意図的に作っています。
よくある質問
Q. 5AはAIDMAと何が違いますか?
A. AIDMAが個人の心理プロセスを示すのに対し、5Aは「Ask(調査)」や「Advocate(推奨)」のように、他者やSNSとのつながりを前提にした点が特徴です。デジタル時代の口コミ拡散を重視しています。
Q. 中小企業でも5Aは活用できますか?
A. 活用できます。大きな予算がなくても、満足した顧客に紹介を促す仕組みを作れば、推奨が次の認知を生む好循環をねらえます。各段階で自社の弱点を点検する視点が役立ちます。