企業経営理論 R08年度 第33問

第33問

消費者行動に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 消費者の学習における古典的条件付けは、製品そのものの機能(無条件刺激)と、ブランドロゴなどの特定の記号(条件刺激)を繰り返し提示することで、ブランドロゴを見るだけで製品の機能的恩恵を想起させる手法である。この手法は、高度な認知的判断を伴わない低関与製品においては効果が低いとされる。
  2. 消費者の記憶において、一度学習した情報が時間の経過とともに忘れ去られる現象を忘却と呼ぶ。企業のブランド構築においては、忘却されやすいエピソード記憶よりも、意味記憶の定着を優先することが、顧客との情緒的な絆を形成する上で効果的である。
  3. 製品に対する消費者のこだわりや関心の強さを指す関与度が高い場合、消費者は広告のタレントや映像の雰囲気といった周辺的な情報を手がかりに意思決定を行う、精緻化見込みモデルでいわれる「周辺経路を通じた情報処理」を行う傾向が強い。
  4. 知覚のプロセスにおける選択的注意とは、消費者が自分にとって重要な情報や、自分の信念に合致する情報のみを優先的に取り込む傾向を意味する。企業が競合他社と異なる独自性を訴求する際、消費者の既存の知識体系から大きく逸脱した情報は、注意を引くどころか無視されるリスクをはらんでいる。りゅうちょう
  5. 流 暢 性とは、情報処理のしやすさから生じる主観的な感覚を意味する。一般に、複雑で難解な専門用語を用いた製品説明は、消費者にとって「処理が困難である」という感覚を生じさせるため流暢性が低いが、これは情報の希少性や専門性の高さとしてポジティブに評価され、購買意欲の向上に直接的に寄与する。
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正解:

解答:エ(選択的注意と既存知識からの逸脱リスク)

消費者の学習・記憶・知覚に関する理論を問う問題です。

  • ア(×):古典的条件づけは低関与製品でむしろ効果を発揮しやすい。「低関与で効果が低い」は誤り。
  • イ(×):情緒的な絆の形成にはエピソード記憶(経験の記憶)も重要。意味記憶優先が情緒的絆に効果的とは限らない。
  • ウ(×):関与度が高いと、消費者は情報を精査する「中心的経路」で処理する。周辺経路(雰囲気・タレント頼り)は低関与時。
  • エ(○):選択的注意により、消費者は自分に重要な・信念に合う情報を優先的に取り込む。既存の知識体系から大きく逸脱した情報は無視されるリスクがある。正しい。
  • オ(×):流暢性が低い(処理困難な)説明は、一般に評価を下げ購買意欲に必ずしもプラスにならない。専門性としてポジティブ評価される、と断定するのは誤り。

よって

#消費者行動

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