第32問
ブランド・マネジメントに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア カスタマー・ジャーニーの設計において、顧客がブランドに接触するタッチポイント(接触点)を分析する際には、購買の瞬間に最も重点を置くべきである。購買に至る前の情報収集段階や、購買後の使用段階、情報共有段階における顧客体験は、製品自体の物理的な機能によって決定されるため、ブランド・マネジメントの管理対象からは除外される。
- イ ブランド・アイデンティティとは、企業側が顧客に抱いてほしいと意図するブランドの意味や連想を指す概念である。一方、ブランド・イメージは顧客の心の中に実際に形成された主観的な認識であり、ブランド・コミュニケーションの主な目的は、この両者のギャップを最小化することである。
- ウ ブランド・アンブレラ戦略は、単一のブランド名を複数の製品カテゴリーに展開する手法であり、広告宣伝費を抑制できるメリットがある。このため、経営資源の限られた中小企業においては、製品の性質や品質の差異にかかわらず、すべての新製品を既存の成功したブランド傘下で発売することが、ブランド・リスクを最小化する戦略である。
- エ ブランドの維持管理におけるリブランディングは、既存のブランド認知が著しく低下し、売上が低迷した際にのみ検討されるべき事後的な救済策である。市場環境が良好でブランドが順調に成長している過程において、ブランド要素の再定義やスローガンの刷新は既存顧客のロイヤルティを損なうため、戦略的な合理性は認められない。
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正解:イ
解答:イ(アイデンティティとイメージのギャップ最小化)
ブランド・マネジメントは、企業が意図するブランド像を顧客の認識と一致させていく活動です。
- ア(×):タッチポイントは購買の瞬間だけでなく、購買前の情報収集や購買後の使用・共有段階も含めて管理対象となる。
- イ(○):ブランド・アイデンティティ(企業が抱いてほしい意味)とブランド・イメージ(顧客に実際に形成された認識)のギャップを最小化することがブランド・コミュニケーションの目的。正しい。
- ウ(×):アンブレラ戦略は、品質・性質が大きく異なる製品まで無条件に既存ブランド傘下で出すと、失敗が本体ブランドに波及するリスクがある。「すべて傘下で」がリスク最小化とはいえない。
- エ(×):リブランディングは売上低迷時の事後救済に限らず、市場環境変化に先んじて戦略的に行う合理性もある。
よって イ。