第10問
工業所有権の保護に関するパリ条約について、下記の設問に答えよ。
設問1
パリ条約に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア パリ条約では、同盟に属しない国の国民は、いずれかの同盟国の領域内に住所を有していても、同盟国の国民とはみなされない。
- イ パリ条約は、「商号は、商標の一部であるか否かを問わず、すべての同盟国において保護されるものとし、そのためには、登記の申請又は登記が行われていることを必要とする。」と定めている。
- ウ パリ条約は、「同盟国は、この条約の規定に抵触しない限り、別に相互間で工業所有権の保護に関する特別の取極を行う権利を留保する。」と定めている。
- エ パリ条約は、「同盟国は、サービス・マークを保護することを約束する。同盟国は、サービス・マークの登録について規定を設けることを要する。」と定めている。
設問2
以下の文章の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。内国民待遇については、パリ条約 2 条に以下のように規定されている。⑴ 各同盟国の国民は、工業所有権の保護に関し、この条約で特に定める権利を害されることなく、他のすべての同盟国において、当該他の同盟国の法令が内国民に対し現在与えており又は将来与えることがある利益を享受する。すなわち、同盟国の国民は、内国民に課される条件及び手続に従う限り、内国民と同一の保護を受け、かつ、自己の権利の侵害に対し内国民と同一の法律上の救済を与えられる。⑵ もつとも、各同盟国の国民が工業所有権を亨有するためには、保護が請求される国に住所又は営業所を有することが A 。⑶ (以下、省略)優先権については、パリ条約 4 条に以下のように規定されている。4 条A⑴いずれかの同盟国において正規に特許出願若しくは実用新案、意匠若しくは商標の登録出願をした者又はその承継人は、他の同盟国において出願することに関し、以下に定める期間中優先権を有する。(中略)4 条C⑴A⑴に規定する優先期間は、 B とする。
- ア A:条件とされるB:特許及び実用新案については 18 カ月、意匠及び商標については 6 カ月
- イ A:条件とされるB:特許及び実用新案については 18 カ月、意匠及び商標については 8 カ月
- ウ A:条件とされることはないB:特許及び実用新案については 12 カ月、意匠及び商標については 6 カ月
- エ A:条件とされることはないB:特許及び実用新案については 12 カ月、意匠及び商標については 8 カ月
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正解: 設問1 ウ 設問2 ウ
解答:設問1=ウ、設問2=ウ
工業所有権の保護に関するパリ条約についての問題です。
設問1
- ア(×):同盟に属しない国の国民でも、いずれかの同盟国内に住所や現実かつ真正の営業所を有すれば同盟国の国民とみなされます(3条)。誤りです。
- イ(×):商号は登記の有無を問わず、すべての同盟国で保護されます(8条)。「登記が必要」は誤りです。
- ウ(○):同盟国は、条約に抵触しない限り、相互間で特別の取極を行う権利を留保できます(19条)。正しい記述です。
- エ(×):サービス・マークは保護を約束するものの、登録について規定を設けることまでは要しません(6条の6)。誤りです。
設問2
- A=条件とされることはない:工業所有権を享有するのに、保護を請求する国に住所・営業所を有することは条件とされません(2条2項)。
- B=特許・実用新案は12カ月、意匠・商標は6カ月:優先期間の規定です(4条C(1))。
この組み合わせを満たすのは ウ です。