第22問
組織学習に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 「有能さの罠(competency trap)」とは、これまでの学習の結果として高い能力 を構築し成果を上げているために、学習をやめてしまうことである。
- イ 高次学習とは組織の上位階層のみで生じる行動レベルの学習であるのに対し て、低次学習は組織の下位階層のみで生じる行動レベルでの学習である。
- ウ 組織学習とは、組織ルーティンの変化の中で組織成果に正の貢献をもたらすも ののみを指す。
- エ 組織メンバーが環境の変化に対応した新しい知識を獲得しても、組織によって 規定された役割が制約となって、組織としての学習が進まないことがある。
- オ ダブルループ学習とは行動とその結果を振り返り行動を修正することを何度も 繰り返すものであるのに対して、シングルループ学習とは行動を一度だけしか修 正しないものである。
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正解:エ
解答:エ
組織学習の論点。マーチ&オルセンらの議論を押さえる。
- ア(×):「有能さの罠」とは、既存の能力・ルーティンで成果が出ているため、それに固執して新たな探索(exploration)を怠り、環境変化への適応力を失うこと。「学習をやめてしまうこと」という説明は不正確で、既存の有効な学習に偏り過ぎる点が本質。
- イ(×):高次学習・低次学習は組織の階層(上位・下位)で区分されるものではない。低次学習は反復的・既存枠内の学習、高次学習は枠組み自体を変える学習を指す。
- ウ(×):組織学習は必ずしも正の貢献をもたらすものに限らない。誤った学習や不適応な学習(迷信的学習など)も含まれる。
- エ(○):個人が新知識を獲得しても、組織の役割や規定が制約となり組織レベルの学習に結びつかないことがある(学習の不完全サイクル)。適切。
- オ(×):シングルループ学習は既存の前提・枠組みの中で行動を修正する学習、ダブルループ学習は前提や目標自体を見直す学習。修正回数の多寡で区別するものではない。
よって エ。