第20問
組織や集団においては、意見の相違や利害の不一致から、個人間でコンフリクト が発生することが一般的である。コンフリクトへの対処は、自己の利益を追求する 度合いと、相手の利益追求を許容し協力する度合いとの組み合わせに応じて、「回 避」、「競争」、「協調」、「妥協」、「適応」の5類型に分類される。コンフリクトへの 対処に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 「回避」とは、自己の利益を強く主張しない一方で相手の利益もあまり許容でき ない場合に、問題解決を延期して様子を見るという対処である。互いの対立点が 表立つのを避けたい場合にとられやすい。
- イ 「競争」とは、相手の利益を最大限に許容しつつ、相手に命令したり相手を説得 したりすることで自己の利益も追求するという対処である。権力志向的で高い職 位の人間から、順応的な低い職位の人間に対してとられやすい。
- ウ 「協調」とは、双方がある程度の利益を獲得しつつ互いに犠牲も払うという対処 である。互いの対立点を曖昧にすることでコンフリクトを自然に解消しようとす る場合にとられやすい。
- エ 「妥協」とは、当事者の一方のみが自己の利益を犠牲にして相手の利益を最大限 に許容するという対処である。互いにある程度の利益をとりつつ犠牲も払うとい う折り合いがつけられない場合にとられやすい。
- オ 「適応」とは、相手の利益を犠牲にして自己の利益を追求するという対処であ る。自己の利益を一方的に追求することで、相手との長期的な関係が損なわれて も問題ないと判断される場合にとられやすい。
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正解:ア
解答:ア
トーマスのコンフリクト対処は、自己主張(自己の利益追求)と協調(相手の利益許容)の2軸で5類型に分かれる。競争=自己主張高・協調低、協調=双方高、回避=双方低、適応=自己主張低・協調高、妥協=中間。
- ア(○):「回避」は自己の利益も主張せず相手の利益もあまり許容しない(双方低)対処で、問題解決を先送りし対立点が表面化するのを避けたい場合にとられる。正しい。
- イ(×):記述(相手の利益を最大限許容しつつ…)は内容が混乱しており、「競争」は自己の利益を強く主張し相手の利益を許容しない対処。定義に合致しない。
- ウ(×):双方が犠牲を払いつつ一定の利益を得て対立点を曖昧にする、というのは「妥協」の説明。「協調」は双方が利益を最大化する統合的解決を目指す対処。入れ替わっている。
- エ(×):一方が自己の利益を犠牲にして相手の利益を最大限許容するのは「適応」の説明。「妥協」は双方が一部犠牲・一部利益を得る折り合い。入れ替わっている。
- オ(×):相手の利益を犠牲にして自己の利益を一方的に追求するのは「競争」の説明。「適応」は逆に自己を犠牲にして相手に合わせる対処。入れ替わっている。
よって ア。