第8問
衰退業界とは、景気変動や短期的要因によるものではなく、長期にわたって販売 数量そのものが下降を続けている業界のことである。M. ポーターの衰退業界の競 争戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 買い手が価格に敏感でなく、かつ買い手の交渉力が小さいほど、業界の売上が 縮小しても、残存者は利益を得やすい。
- イ 企業が業界内で強力なポジションを占めているほど、企業による業界の衰退予 想はより悲観的になりやすい。
- ウ 急激かつ無軌道な衰退プロセスが予想されるほど、その業界の競争の激しさは 減少する。
- エ 業界衰退期の戦略の1つである刈り取り戦略とは、高い利益率を生み出す特定 のセグメントを見い出し、その防衛を目指す戦略である。
- オ 業界衰退の速度は、技術進歩や人口変化などの環境要因によって決まるもの で、個々の企業の撤退戦略とは関係ない。
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正解:ア
解答:ア
ポーターの衰退業界の競争戦略では、需要の構造(衰退の速度・確実性、残存需要の性質)と撤退障壁が、残存者の収益機会を左右する。
- ア(○):買い手が価格に敏感でなく交渉力も小さいほど、業界が縮小しても残存者は価格を維持でき利益を得やすい。正しい。
- イ(×):強力なポジションを占める企業ほど、自社の競争力に自信を持ち、業界の衰退予想は楽観的になりやすい。「悲観的」は誤り。
- ウ(×):急激で無軌道な(不確実な)衰退ほど、各社の予測が割れ撤退判断も混乱し、競争はかえって激化しやすい。「減少する」は誤り。
- エ(×):記述の内容(高収益セグメントを見出し防衛する)は「ニッチ戦略(一点集中・収穫ではない)」の説明。「刈り取り(収穫)戦略」は投資を抑え既存資産から最大限の資金を回収する戦略であり、定義が一致しない。
- オ(×):業界衰退の速度は環境要因だけでなく、各社の撤退戦略・撤退障壁といった企業行動にも影響される。「関係ない」は誤り。
よって ア。