第10問
近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の取り組みが中小企業にも 拡大している。DX 推進に関する下記の設問に答えよ。
設問1
DX 認定制度は、DX 推進の準備が整っていると認められた企業を国が認定す る制度であり、デジタル技術による社会変革に対して経営者に求められる事項を 取りまとめた「デジタルガバナンス・コード」に対応している。 経済産業省および情報処理推進機構(IPA)による「DX 認定制度 申請要項(申請 のガイダンス)」 (第2 版)では、下記に示す〈デジタルガバナンス・コードの項目〉 とDX 認定制度の申請項目の対応関係が説明されている。 〈デジタルガバナンス・コードの項目〉 1 .経営ビジョン・ビジネスモデル 2 .戦略 2 . 1 .組織づくり・人材・企業文化に関する方策 2 . 2 .IT システム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策 3 .成果と重要な成果指標 4 .ガバナンスシステム 上記の「2 . 1 .組織づくり・人材・企業文化に関する方策」に対応するDX 認 定制度の申請項目として、最も適切なものはどれか。
- ア 最新の情報処理技術を活用するための環境整備の具体的方策の提示
- イ サイバーセキュリティに関する対策の的確な策定及び実施
- ウ 実務執行総括責任者が主導的な役割を果たすことによる、事業者が利用する 情報処理システムにおける課題の把握
- エ 実務執行総括責任者による効果的な戦略の推進等を図るために必要な情報発信
- オ 戦略を効果的に進めるための体制の提示
設問2
情報処理推進機構(IPA)が公開している「中小規模製造業者の製造分野におけ るデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのガイド」では、中小規模 製造業が先進的にDX に取り組んでいる事例を基に、これからDX に取り組む 企業に向けて、その必要性や進め方がまとめられている。 このガイドに記載されている内容に関する記述の正誤の組み合わせとして、最 も適切なものを下記の解答群から選べ。 a スマートサービスは、AI やIoT などのデジタル技術を使い、顧客に高い体 験価値を与えるサービスのことで、モノの使用状況に基づいてメンテナンスな どを行うサービスのほか、モノづくりのノウハウを提供・サポートするサービ スも含まれる。 b スマートファクトリーは、生産設備をデジタル化し、ネットワーク上でデー タをやりとりすることで効率化している工場のことである。 c 製造分野のDX は、顧客価値を高めるため、製造分野で利用されている製造 装置や製造工程の監視・制御(OT:運用技術)などのデジタル化を軸に、IT と の連携により製品やサービス、ビジネスモデルの変革を実現することと定義さ れている。 d 中小規模製造業におけるDX においては、収益増に直結するスマートプロダ クトへの取り組みから行うことが推奨されている。
- ア a:正 b:正 c:正 d:誤
- イ a:正 b:正 c:誤 d:誤
- ウ a:正 b:誤 c:正 d:正
- エ a:誤 b:正 c:正 d:正
- オ a:誤 b:誤 c:誤 d:正
▼ 解答・解説を見る
正解: 設問1 オ 設問2 ア
解答:設問1=オ、設問2=ア
設問1(オ)
デジタルガバナンス・コード「2.1 組織づくり・人材・企業文化に関する方策」は、戦略を実行するための“組織・体制”面の方策を問う項目。
- ア(×):情報処理技術の活用環境整備は「2.2 ITシステム・デジタル技術活用環境の整備」に対応する。
- イ(×):サイバーセキュリティ対策はガバナンスシステム(4.)寄りの項目で、組織づくり・人材の方策ではない。
- ウ(×):情報処理システムの課題把握はガバナンス(4.)に関する内容で本項目に対応しない。
- エ(×):戦略推進のための情報発信はガバナンス(4.)に関する内容で本項目に対応しない。
- オ(○):「戦略を効果的に進めるための体制の提示」は、組織づくり・人材・企業文化に関する方策(2.1)に対応する。正しい。
設問2(ア)
IPA「中小規模製造業者の製造分野におけるDX推進のためのガイド」の記述の正誤を判定する。
- a(○):スマートサービスは、AI・IoT等で顧客に高い体験価値を与えるサービスで、使用状況に基づくメンテナンスやノウハウ提供・サポートも含む。正しい。
- b(○):スマートファクトリーは、生産設備をデジタル化しネットワーク上でデータをやりとりして効率化した工場。正しい。
- c(○):製造分野のDXは、OT(運用技術)のデジタル化を軸にITと連携し、製品・サービス・ビジネスモデルの変革を実現することと定義される。正しい。
- d(×):本ガイドでは、いきなり収益増直結のスマートプロダクトから始めるのではなく、身近な工程のデジタル化など取り組みやすい段階から進めることが推奨されており誤り。
よって 設問2は a:正、b:正、c:正、d:誤 の ア。