第11問
国債に関する下記の設問に答えよ。
設問1
国債に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 国債の価格が上昇すると、その利回りは低下する。
- イ 国債は、マネーストック(広義流動性)に含まれない。
- ウ 日本銀行が金融政策の手段として国債を市場で売買することは禁止されてい る。
- エ 日本銀行は、国債を保有していない。
- オ 日本政府は、物価連動国債を発行していない。
設問2
政府の国債発行に関する理論についての記述として、最も適切なものはどれ か。
- ア 課税平準化の理論によれば、課税による超過負担を最小化する観点から、異 時点間の税収の変動を抑えるように年々の国債発行額を決定するのが望まし い。
- イ 貨幣数量説が成立する古典派経済学の枠組みでは、国債発行を伴う財政政策 は、金利の低下を通じて民間投資を促進する効果を持つ。
- ウ ケインズ経済学の枠組みでは、流動性のわなが存在する状況下での国債発行 を伴う財政政策は、金利の上昇を引き起こすために無効となる。
- エ 国債の中立命題によれば、ある時点での国債発行は、家計に将来時点での増 税を予期させるために、マクロ経済に与える効果は中立的となる。
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正解: 設問1 ア 設問2 ア
解答:設問1=ア、設問2=ア
設問1(国債の基本)
- ア(○):債券価格と利回りは逆方向に動く。国債価格が上昇すれば利回りは低下する。正しい。
- イ(×):国債(特に短期国債等)はマネーストックの広義流動性に含まれる。含まれないは誤り。
- ウ(×):日銀は金融調節の手段として公開市場操作で国債を売買している。禁止されているは誤り。
- エ(×):日銀は大量の国債を保有している。保有していないは誤り。
- オ(×):日本政府は物価連動国債を発行している。発行していないは誤り。
設問2(国債発行の理論)
- ア(○):課税平準化の理論では、課税の超過負担(死荷重)を最小化するため税率を平準化し、年々の税収変動を抑えるよう国債発行で調整するのが望ましいとされる。正しい。
- イ(×):古典派・貨幣数量説の枠組みでは、財政拡大はクラウディングアウトで民間投資を締め出す。金利低下で投資を促進するは誤り。
- ウ(×):流動性のわなの下では金利が動かずクラウディングアウトが生じないため財政政策は有効。金利上昇で無効とするは誤り。
- エ(×):国債の中立命題(リカードの等価定理)は将来増税を予期するため消費が変わらず効果が中立、という主張で、現実には成立しない仮定の下の命題。本問の文脈では「最も適切」とは言えず、確立した理論として正確に述べた選択肢はア。
よって設問1=ア、設問2=ア。