第9問
企業におけるイノベーションには外部からの知識が欠かせない場合が多い。イノ ベーションのプロセスにおいて重要とされる吸収能力(absorptive capacity)に関す る記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 多くの企業にとって、吸収能力を高めることが研究開発投資の最大の目的であ る。
- イ 企業の吸収能力は、新しい知識やスキルを組織内部のメンバーに共有させる組 織能力であり、組織内の個人が保有する既存の知識とは関係がない。
- ウ 企業の吸収能力は、個々の構成メンバーの吸収能力に大きく左右されるため、 個人の吸収能力の総和と考えられる。
- エ 吸収能力とは、既存知識によって新しい情報の価値に気付き、それを活用する 能力である。
- オ 吸収能力は、研究開発部門に特有の能力である。
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正解:エ
解答:エ
吸収能力(コーエン&レビンソル)は、外部の新しい知識の価値を認識・吸収・応用する組織能力で、既存の関連知識の蓄積に依存する。
- ア(×):研究開発投資の主目的はイノベーション成果の創出であり、吸収能力の向上は副次的に得られる効果。「最大の目的」とまでは言えない。
- イ(×):吸収能力は既存知識の上に成り立つ。新知識の価値は既存の関連知識があってこそ認識できるため、「組織内の個人の既存知識とは関係がない」は誤り。
- ウ(×):吸収能力は個人の能力の単純な総和ではなく、組織内のコミュニケーションや知識共有の構造に依存する組織レベルの能力。総和とみなすのは誤り。
- エ(○):吸収能力とは、既存知識を基盤に新しい情報の価値に気付き、それを活用(応用)する能力という定義どおりで適切。
- オ(×):吸収能力は研究開発部門に限らず組織全体に関わる能力であり、特有とするのは誤り。
よって エ。