第8問
民事再生手続における双務契約の取り扱いに関する記述として、最も適切なもの はどれか。なお、別段の意思表示はないものとする。
- ア 再生債務者に対して売買契約に基づき継続的給付の義務を負う双務契約の相手 方は、再生手続開始決定の申立て前の給付に係る再生債権について、弁済がない ことを理由として、再生手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。
- イ 再生手続開始前に再生債務者の債務不履行により解除権が発生していたとして も、相手方は、再生手続開始後は当該契約を解除することができない。
- ウ 注文者につき再生手続開始決定があった場合、請負人は、再生手続開始決定が あったことを理由に当該請負契約を解除することができる。
- エ 賃貸人につき再生手続開始決定があった場合、賃借人が対抗要件を具備してい たとしても、賃貸人は、双方未履行の双務契約であることを理由に当該賃貸借契 約を解除することができる。
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正解:ア
解答:ア
民事再生手続における双務契約(継続的給付・解除・請負・賃貸借)の取扱いを問う。
- ア(○):継続的給付を目的とする双務契約の相手方は、再生手続開始申立て前の給付に係る再生債権について弁済がないことを理由として、開始後の給付義務の履行を拒むことができない(民事再生法50条1項)。供給継続を確保する趣旨。
- イ(×):再生手続開始前に既に発生していた解除権は、開始後も行使できる。「開始後は解除できない」は誤り。
- ウ(×):注文者に再生手続開始決定があっても、請負人は再生手続開始決定があったことのみを理由に請負契約を解除することはできない。破産(破産法642条で民法642条を排除しない)と異なり、民事再生法には請負人からの解除を認める規定はなく、双方未履行双務契約の処理は再生債務者(管財人)側の選択権による。
- エ(×):賃借人が対抗要件を備えている場合、賃貸人(再生債務者)側から双方未履行を理由に賃貸借契約を解除することはできない(民事再生法51条が準用する破産法56条1項)。賃借人保護の趣旨。
よって ア。