企業経営理論 R04年度 第1問

第1問

企業の多角化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. C.マルキデスによると、第二次世界大戦後の米国企業では、多角化の程度が 一貫して上昇しているとされる。
  2. R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全 社的な収益性(利益率)が上昇する関係があるとされる。
  3. R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全 社的な成長性が低下する関係があるとされる。
  4. 伊丹敬之によると、1 つの企業で複数の事業を営むことで生じる「合成の効果」 には、相補効果と(狭義の)相乗効果の2 種類があるとされる。そのうち、物理的 な経営資源の利用効率を高めるものは、(狭義の)相乗効果と呼ばれる。
  5. 関連多角化を集約型(constrained)と拡散型(linked)に分類した場合、R.ルメ ルトの研究によると、拡散型より集約型の方が全社的な収益性(利益率)が高い傾 向にあるとされる。
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正解:

解答:オ

多角化の程度と業績の関係、および伊丹の「合成の効果」「相乗効果(シナジー)」の定義を問う問題。

  • ア(×):マルキデスの研究では、米国企業の多角化の程度は一貫して上昇したのではなく、1980年代以降はむしろ「選択と集中」によって多角化を縮小(リストラクチャリング)する動きがみられた。「一貫して上昇」が誤り。
  • イ(×):ルメルトや吉原英樹らの研究では、多角化の程度が高いほど収益性が単調に上昇する関係は確認されていない。過度な(非関連)多角化はむしろ収益性を低下させる傾向があり、「高くなるほど収益性が上昇」とはいえない。
  • ウ(×):これらの研究では、多角化の程度が高いほど成長性が「低下」するのではなく、一般に多角化は成長性(成長率)を高める方向に働くとされる。収益性と成長性のトレードオフの説明として不適切。
  • エ(×):伊丹の「合成の効果」は相補効果と相乗効果(シナジー)から成るが、物理的な経営資源の利用効率を高めるのは相補効果であり、(狭義の)相乗効果は情報的経営資源の多重利用によって生じる。両者の対応が逆で誤り。
  • オ(○):ルメルトは関連多角化を集約型(constrained)と拡散型(linked)に分類し、中核的資源を共有する集約型の方が、拡散型より全社的な収益性が高い傾向にあるとした。記述は正しい。

よって

#経営戦略・全社戦略#経営資源・RBV

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