第7問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 中小企業の事業承継を円滑に進めるために、経営の担い手を確保する重要性が高 まっている。 中小企業庁が2016 年に策定した「事業承継ガイドライン」では、事業承継の類型 として、親族内承継、役員・従業員承継、社外への引継ぎの3 つを示し、事業承継 の形態ごとの特徴を指摘している。 また、中小企業庁の分析によれば、3 つの事業承継の形態に応じて、事業承継し た経営者が、後継者を決定する上で重視した資質・能力や有効だと感じた後継者教 育にも違いがある。 中小企業診断士をはじめとする支援者が、中小企業の円滑な事業承継を支援する ためには、事業承継の形態ごとの、このような特徴や違いも十分に理解したうえ で、取り組むことが必要である。
設問1
文中の下線部①について、総務省「就業構造基本調査」に基づき、年齢階層別に わが国企業の経営の担い手数を1992 年と2017 年で比較した場合の記述として、 最も適切なものはどれか。 なお、ここでいう経営の担い手とは、会社などの役員又は自営業主をいう。
- ア 59 歳以下の経営の担い手数、60 歳以上の経営の担い手数とも減少している。
- イ 59 歳以下の経営の担い手数、60 歳以上の経営の担い手数とも増加している。
- ウ 59 歳以下の経営の担い手数は減少、60 歳以上の経営の担い手数は増加して いる。
- エ 59 歳以下の経営の担い手数は増加、60 歳以上の経営の担い手数は減少して いる。
設問2
文中の下線部②について、中小企業庁「事業承継ガイドライン」に基づき、事業 承継の形態別のメリットを見た場合の記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 「社外への引継ぎ」は、親族や社内に適任者がいない場合でも広く候補者を外 部に求めることができ、「役員・従業員承継」は、長期の準備期間の確保が可能 であり所有と経営の一体的な承継が期待できる。
- イ 「親族内承継」は、一般的に他の方法と比べて内外の関係者から心情的に受け 入れられやすく、「役員・従業員承継」は、経営者としての能力のある人材を見 極めて承継することができる。
- ウ 「親族内承継」は、後継者の社内経験にかかわらず経営方針等の一貫性を保ち やすく、「社外への引継ぎ」は、親族や社内に適任者がいない場合でも広く候補 者を外部に求めることができる。
- エ 「役員・従業員承継」は、一般的に他の方法と比べて内外の関係者から心情的 に受け入れられやすく、「社外への引継ぎ」は、経営者としての能力のある人材 を見極めて承継することができる。
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正解: 設問1 ウ 設問2 イ
解答:設問1=ウ、設問2=イ
経営の担い手の年齢構成と、事業承継ガイドラインの形態別メリットを問う。
【設問1】年齢階層別の経営の担い手数(1992年と2017年の比較)。
- ア(×):60歳以上も減少とするが、高齢化により60歳以上は増加している。
- イ(×):59歳以下も増加とするが、59歳以下は減少している。
- ウ(○):経営者の高齢化を反映し、59歳以下の担い手数は減少、60歳以上の担い手数は増加している。
- エ(×):増減の関係が逆であり誤り。
【設問2】事業承継ガイドラインの形態別メリット。
- ア(×):「所有と経営の一体的な承継が期待できる」のは親族内承継の特徴であり、役員・従業員承継の説明として不適切。
- イ(○):親族内承継は内外の関係者から心情的に受け入れられやすく後継者の早期決定・準備が可能。役員・従業員承継は経営能力のある人材を見極めて承継できる。いずれも各形態の代表的メリットとして適切。
- ウ(×):親族内承継について「後継者の社内経験にかかわらず一貫性を保ちやすい」とする点が不適切。
- エ(×):心情的に受け入れられやすいのは親族内承継であり、役員・従業員承継の説明として不適切。
よって 設問1=ウ、設問2=イ。