第5問
以下のつの図は、標準的なIS‐LM 分析の図である。両図において、初期状態 がIS とLM の交点であるE0 として与えられている。政府支出の増加によってIS がIS′ に変化したとき、以下の両図に関する説明として最も適切なものを下記の解 答群から選べ。 図 利子率 GDP 図 利子率 GDP V解答群X
- ア 図 が示すところによれば、政府支出の増加による総需要刺激効果は、クラ
- イ ディング・アウトによって完全に相殺されている。
- ウ 図 で点A から点E1 までの動きは、「流動性の罠」と呼ばれる状況が生じて いることを示している。
- エ 図 で点E0 から点A までの動きは、政府支出の増加によるクラウディン グ・アウトの効果を示している。
- オ 図では、政府支出の増加によって利子率が上昇することを示している。
- 図では、政府支出の増加によるクラウディング・アウトは発生していな い。 DKJC-1A
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正解:オ
解答:オ
〔リード〕IS‐LM分析で政府支出を増やすと IS が IS′ へ右シフトする。一方の図は通常の右上がり LM 曲線(政府支出増→利子率上昇→投資が一部抑制されるクラウディング・アウトが発生)、もう一方の図は「流動性の罠」の状況、すなわち LM 曲線が水平(利子率が下限に張りついている)ケースである。LM が水平な図では政府支出を増やしても利子率が上がらず、投資は減らないためクラウディング・アウトは発生せず、財政政策の総需要刺激効果がそのまま GDP 増加につながる。
- ア(×):通常の LM の図では総需要刺激効果がクラウディング・アウトによって「完全に相殺」されることはない。GDP は一部増加する(完全相殺は LM が垂直=古典派の極端なケース)。よって誤り。
- イ(×):点A から点E1 への動きを「流動性の罠」とする説明は誤り。流動性の罠は LM が水平である状況そのものを指し、点間の移動を指す呼称ではない。
- ウ(×):点E0 から点A への動きは、IS シフトに伴う本来の需要拡大(利子率一定とした場合の総需要効果)であって、クラウディング・アウトの効果ではない。クラウディング・アウトは点A から点E1(利子率上昇により所得が押し戻される)への部分で示される。よって誤り。
- エ(×):流動性の罠(LM 水平)の図では、政府支出を増やしても利子率は上昇しない。利子率が上昇するとした点が誤り。
- オ(○):流動性の罠(LM が水平)の図では、政府支出の増加によっても利子率が変わらず投資が抑制されないため、クラウディング・アウトは発生しない。正しい。
よって オ。