第14問
契約の解除に関する記述として最も適切なものはどれか。
- ア A からB が買い受けた土地をB からC が買い受けたところ、A がB の債務不 履行を理由にAB 間の売買契約を解除した場合、A が背信的悪意者のような場 合でない限り、C は、登記を得なければA に対して自らの所有権を主張できな い。
- イ 自宅の工事を発注した施主が発注後に死亡した場合、施主の共同相続人は、請 負契約で定められた工期を遅延したまま督促しても工事完了の見込みが立たない 請負業者に対して、特約がない限り、法定相続分に応じて個別に解除権を行使で きる。
- ウ 商人間の売買でなくても、債務者に履行の意思がないことが明らかであれば、 履行遅滞を理由とする債務不履行解除には催告を必要としない。
- エ 特定物の売買契約における売主のための保証人は、反対の特約がない限り、契 約解除による売買代金の返還義務についての保証の責任を負わない。 DKJC-1E
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正解:ア
解答:ア
〔リード〕契約の解除(解除と第三者、相続人による解除、催告の要否、保証人の責任)に関する問題。
- ア(○):解除前の第三者は、解除によって害されない(民法545条1項但書)が、その保護を受けるには対抗要件(登記)を備えていることが必要とされる(判例)。AがB債務不履行で解除した場合、Bから買い受けたCは、Aが背信的悪意者でない限り、登記を得なければAに自らの所有権を対抗できない、とする点で正しい。
- イ(×):解除権が数人に帰属する場合、解除権の行使は全員から全員に対してしなければならない(解除権の不可分性、民法544条1項)。共同相続人が法定相続分に応じて個別に解除権を行使できるとする本記述は誤り。
- ウ(×):履行遅滞による解除には原則として相当期間を定めた催告が必要(H26当時の民法541条)。「商人間の売買でなくても、履行の意思がないことが明らかなら催告不要」と一般化する本記述は、当時の原則からすると不適切。
- エ(×):特定物売買の売主の保証人は、反対の特約がない限り、債務不履行による解除に伴う原状回復義務(代金返還義務)についても保証責任を負う(判例)。負わないとする本記述は誤り。
よって ア。