第3問
A 氏は、X 株式会社(以下「X 社」という。)に対しB 氏をX 社の取締役に選任す る議案を株主総会に提出したい。 これに関する記述として最も適切なものはどれか。 ただし、X 社は取締役会設置会社であり、A 氏の所有株式数は10 株で、X 社の 議決権のある株式数は2,000 株である。 また、当該議案と実質的に同一の議案は、過去年間上程されていないものとす る。
- ア A 氏はB 氏を取締役とする議案の要領を株主総会の招集通知に記載すること を請求することはできないが、取締役選任の議題があれば株主総会においてB 氏を取締役とする議案を提出することができる。
- イ A 氏はいかなる場合もB 氏を取締役とする議案を株主総会に提出することは できない。
- ウ A 氏はいつでもB 氏を取締役とする議案の要領を株主総会の招集通知に記載 することを請求でき、かつ、株主総会においてB 氏を取締役とする議案を提出 することができる。
- エ A 氏は株主総会の週間前までであれば、B 氏を取締役とする議案の要領を株 主総会の招集通知に記載することを請求できるが、株主総会においてB 氏を取 締役とする議案を提出することができない。 DKJC-1E
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正解:ア
解答:ア
〔リード〕論点は「株主提案権」。取締役会設置会社では、議題追加や議案要領の招集通知への記載を請求する「議案要領通知請求権(会社法305条)」を行使するには、総株主の議決権の1%以上または300個以上の議決権を、6か月前から保有していることが必要で、かつ総会日の8週間前までに請求しなければならない。本問のA氏は10株(議決権2,000株の0.5%、300個未満)しか持たないため、この要件を満たさず議案要領の招集通知記載は請求できない。他方、株主が総会の場で議案(取締役選任の議題があれば対立候補の選任議案など)を提出する「議案提案権(会社法304条)」には持株要件がなく、1株株主でも行使できる。
- ア(○):A氏は要件未充足のため議案要領の招集通知記載は請求できないが、取締役選任の議題があれば総会の場でB氏を取締役とする議案を提出できる、とする点で正しい。
- イ(×):「いかなる場合も議案を提出できない」は誤り。総会での議案提案権(304条)は持株要件なく行使できる。
- ウ(×):「いつでも議案要領の招集通知記載を請求できる」は誤り。305条には持株要件と期限(8週間前)がある。
- エ(×):要件を満たさないA氏は招集通知記載を請求できず、また総会での議案提出は可能なので、記述が逆になっており誤り。
よって ア。