第11問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 経営資源の乏しい中小企業にとって、企業運営上、経営者の経営能力、意欲への 依存度は非常に高いため、円滑な事業承継は企業存続に直結する問題である。 近年の事業承継を取り巻く状況を見ると、経営者の高齢化が進む中で、小規模企 業を中心に後継者難から事業継続を断念する企業も増加している。これまで中小企 業の事業承継においては、 ① 経営者の子どもをはじめとする親族への承継が一般的で あったが、少子化が進展する現状においては、親族以外への事業承継や第三者への ② 事業売却も含めて、事業承継を検討することも必要になっている。 一方、親族による承継と親族以外による承継では、事業を引き継ぐ際の課題も異 なると考えられ、円滑な事業承継を進めるためにはこのような課題を克服していく ことが必要である。 なお、ここでの企業区分は中小企業基本法の定義に準ずるものとし、中規模企業 とは小規模企業以外の中小企業を指す。 )
設問1
½ 文中の下線部①について、中小企業庁「中小企業の事業承継に関するアンケー ト調査」)2012 年11 月½に基づき、事業承継の時期別)20 年以上前、10 〜19 年 前、〜年前½で、企業規模別に現経営者と先代経営者の関係を見た場合に、 最も適切なものはどれか。
- ア 小規模企業では「息子・娘への承継」と回答する企業割合がいずれの時期も過 半を占めている。
- イ 小規模企業では「息子・娘への承継」と回答する企業割合が増加している。
- ウ 中規模企業では「息子・娘への承継」と回答する企業割合がいずれの時期も過 半を占めている。
- エ 中規模企業では「息子・娘への承継」と回答する企業割合が増加している。 DKJC-1G )
設問2
½ 文中の下線部②について、中小企業庁「中小企業の事業承継に関するアンケー ト調査」)2012 年11 月、複数回答½に基づき、企業規模別に事業売却を行う場合 の障害を見た場合に、最も適切なものはどれか。
- ア 小規模企業では、「買い手企業を見つけることが難しい」と回答する企業割合 が「取引先との関係を維持しにくい」と回答する企業割合より高い。
- イ 小規模企業では、「自社の株主からの理解を得にくい」と回答する企業割合が 中規模企業より高い。
- ウ 小規模企業では、「役員・従業員からの理解を得にくい」と回答する企業割合 が「買い手企業を見つけることが難しい」と回答する企業割合より高い。
- エ 小規模企業では、「役員・従業員からの理解を得にくい」と回答する企業割合 が中規模企業より高い。 DKJC-1G
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正解: 設問1 ア 設問2 ア
解答:設問1=ア、設問2=ア
中小企業庁「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012年11月)に基づき、企業規模別・時期別の承継パターンと事業売却時の障害を問う設問。
設問1
下線部①(親族への承継)について、時期別(20年以上前、10〜19年前、9年前まで)に現経営者と先代経営者の関係を企業規模別に見た問題。小規模企業は親族内承継への依存度が高い点がポイント。
- ア(○):小規模企業では「息子・娘への承継」がいずれの時期も過半を占めており、親族(とりわけ実子)への承継が一貫して中心。
- イ(×):小規模企業の「息子・娘への承継」割合はむしろ低下傾向にあり、増加しているとはいえない。
- ウ(×):中規模企業では小規模企業ほど「息子・娘への承継」割合は高くなく、いずれの時期も過半を占めるとはいえない。
- エ(×):中規模企業で「息子・娘への承継」が増加している事実はない。
よって ア。
設問2
下線部②(第三者への事業売却)について、企業規模別に事業売却を行う場合の障害(複数回答)を見た問題。
- ア(○):小規模企業では「買い手企業を見つけることが難しい」と回答する割合が、「取引先との関係を維持しにくい」と回答する割合より高い。買い手探しが最大の障害となっている。
- イ(×):「自社の株主からの理解を得にくい」は、株主構成の単純な小規模企業よりむしろ中規模企業で高く、記述は逆。
- ウ(×):「役員・従業員からの理解を得にくい」割合は「買い手企業を見つけることが難しい」割合より低く、大小関係が逆。
- エ(×):「役員・従業員からの理解を得にくい」は中規模企業より高いとはいえない。
よって ア。