経営法務 H24年度 第2問

第2問

株主管理のコストに関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、顧客 である株式会社の代表取締役甲氏との間で、平成24 年月日に行われたもので ある。その前提で、会話中の空欄に当てはまる語の組み合わせとして、最も適切な ものを下記の解答群から選べ。 甲 氏:「実は、当社では、株主管理のためのコストが問題となっていまして…。」 あなた:「御社の株主の状況はどうなっていましたっけ。」 甲 氏:「この書面のとおりです。」 あなた:「ええっ、本当ですか…。この 株ずつ持っている500 名はどういった人 ですか。」 甲 氏:「取引先の経営者かその関係者です。何十年も前に、取引先にも株を持っ てもらおうということで、先代の社長が実施しまして、当社は資本金が 5,000 万円しかないのに、株主は約500 名という形になりました。これで も当初は取引先とも関係がよくなるなどメリットは多かったのですが、そ の後の長い間に取引先も代替わりや廃業などがあって、現在では、メリッ トは失われ、毎年の株主総会の招集通知を送るコストだけでもばかになら ないよという話になってきまして。」 あなた:「なるほど。そうしますと、 A あるいは B を利用するこ とが考えられると思います。」 甲 氏:「そうするとどうなるのですか。」 あなた:「どちらでも、例えば、今の10 株を つのまとまりにしてしまう、といっ たことができます。そうすると、その他500 名の方に、株主総会の招集通 知を送る必要がなくなります。」 甲 氏:「 つの方法では何が違うのですか。」 あなた:「 A の場合、これらの500 名の方は、最終的には、お金が支払わ れ、御社の株主ではなくなります。 B の場合は、買取請求をされ たりした場合には株主でなくなりますが、そうでなければ、これらの500 名の方も株主であり続けます。」 DKJC-1E 2 甲 氏:「今年の招集通知を送らなくても済む方法を使いたいのですが。」 あなた:「残念ながら、どちらの方法も、株主総会での特別決議がないと実施でき ないので、最短でも、今回の総会で承認決議をしてからということになり ます。」 E甲氏が持参した書面G 当社株式 合計 万株 I内訳L 甲 6,200 株 X 氏 2,200 株 Y 氏 1,000 株 Z 氏 100 株 その他500 名 各 株 V解答群X

  1. A:株式分割 B:単位株制度
  2. A:株式併合 B:単元株制度
  3. A:単位株制度 B:株式併合
  4. A:単元株制度 B:株式分割 DKJC-1E
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正解:

解答:イ

〔リード〕会話の手掛かりは2点。①空欄Aは「最終的にお金が支払われ、株主でなくなる」=端数株主に金銭を交付して株主から退出させる効果がある制度。②空欄Bは「買取請求をされない限り株主であり続ける」=少数株主を株主のまま残し、単元未満株主に議決権・招集通知が不要となるだけの制度。さらに③「どちらも株主総会の特別決議が必要」という条件で絞る。A=株式併合、B=単元株(単元株式数の設定)制度が当てはまる。

  • ア(×):「A:株式分割」が誤り。株式分割は株式数を増やすだけで株主が退出することはなく、「お金が支払われ株主でなくなる」効果はない。また「単位株制度」は旧商法下の制度で、現行(H24時点)の会社法では単元株制度に置き換わっており用語として不適切。
  • イ(○):「A:株式併合」は、多数の株式を1株に併合する結果、1株に満たない端数が生じ、端数は会社が処分して代金を端数株主に交付する(端数株主は金銭を受け取り株主でなくなる)。会話の「お金が支払われ株主でなくなる」と一致。株式併合は株主総会の特別決議事項(会社法180条2項・309条2項)。「B:単元株制度」は一定数の株式を1単元とし、単元未満株主には議決権がなく招集通知も不要となるが、買取請求をしない限り株主の地位は維持される。単元株式数の設定(定款変更)も特別決議事項。会話の説明と完全に一致する。
  • ウ(×):「A:単位株制度」が現行法の用語でなく不適切。順序も会話の説明(A=退出、B=株主継続)と逆で整合しない。
  • エ(×):「B:株式分割」が誤り。株式分割では株主は退出せず、買取請求も生じないため会話のBの説明に合致しない。

よって

#会社の種類・設立#株式・機関#計算・配当

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