第11問
下図は、国モデルに基づく国際取引を表したものである。 いま、農産物に関する自国の輸入需要曲線をD0D1、外国の輸出供給曲線をS0S1 とする。自由貿易下の均衡価格はP0、均衡量はQ0である。 ところで、自国が輸入財単位に対してT 円の関税を賦課した場合、外国の輸 出供給曲線はS0S1からS2S3にシフトし、輸入価格はP0からP2に下落し、反対 に国内価格はP1に上昇する。また、均衡量はQ1に減少する。 この図の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 自国が輸入関税を課した場合、外国の経済余剰は四角形S2FGS0で示される。 b 自国が輸入関税を課した場合、世界全体で三角形EFG の経済余剰が失われる。 c 自国では、関税収入が四角形P1FGP2に相当し、関税賦課時の経済余剰が自由 貿易時の経済余剰を上回ることがある。 d 自由貿易の場合、自国の経済余剰は三角形S0EP0、外国の経済余剰は三角形 D0EP0で示される。
- ア aとc
- イ aとd
- ウ bとc
- エ bとd ― 10― ◇M1(688―12)
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正解:ウ
解答:ウ
〔リード〕輸入需要曲線(自国)と輸出供給曲線(外国)による2国モデルでの関税分析。関税T円の賦課で外国の輸出供給曲線がS₀S₁からS₂S₃へ上方シフトし、国内価格はP₀→P₁へ上昇、輸入価格(外国受取価格)はP₀→P₂へ下落、取引量はQ₀→Q₁へ減少する。関税により交易条件が改善する一方、取引量減少による余剰損失が生じる。
- a(×):外国の経済余剰(輸出供給曲線上の生産者余剰)に関する記述で、対応する図形が四角形S₂FGS₀ではなく、領域の取り方が誤り。
- b(○):関税賦課による取引量の減少(Q₀→Q₁)で、世界全体では三角形EFGに相当する死荷重(経済余剰)が失われる。正しい。
- c(○):自国の関税収入は四角形P₁FGP₂(国内価格と輸入価格の差T×輸入量)に相当する。関税により外国からの輸入価格が下落(交易条件改善)するため、最適関税の議論のように、自国の経済余剰が自由貿易時を上回る場合があり得る。正しい。
- d(×):自由貿易時の余剰の図形対応が逆で、自国の余剰と外国の余剰を取り違えており誤り。
正しい組み合わせは bとc。よって ウ。