経営法務 H23年度 第6問

第6問

中小企業診断士であるあなたと、顧客であるX 株式会社(以下「X 社」という。)の 代表取締役の甲氏との会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X 社は、発行す る株式の全てが譲渡制限株式であり、取締役会設置会社であるとする。また、定款 に特段の定めもないものとする。 甲 氏:「そういえば、こんな書類が昨日来たんだよね。」 あなた:「えーと、A さんが持っている御社の株式をB さんに譲渡したいから承認 して欲しい……。株式の譲渡承認請求の通知ですね。」 甲 氏:「うん。そうなんだよ。この譲渡人って書いてあるA さんは、元々はうち の取引先だったんだけど、20年近く前に店を閉めてしまってね。その後 もずっとうちの株を持っていてくれていたんだけど、もうさすがに譲渡し たいということのようなんだ。株主が他の人に交代するのは仕方がないか なとは思うけど、ただ、今回来た書類に書いてあるB さんという人は全 然知らない人だから、不安なんだよね。」 あなた:「もし、B さんが株主となるのが、御社では好ましくないとお考えなら、 今回の譲渡を拒否することもできるはずですよ。」 甲 氏:「そうなの。どうすればいいの。」 あなた:「えーと、確か、拒否するんだったら早いうちに回答をしないといけない はずで、回答しないと認めたことになってしまうと思います。私も細かい ところまでは分かりませんので、弁護士を紹介しますから、すぐに相談に 行かれてはいかがですか。」 甲 氏:「ありがとう。早速相談に行ってみるよ。」 ― 6― ◇M5(688―113) (

設問1

) 会社法では、譲渡制限株式の譲渡について、譲渡承認請求がなされた日から一 定期間内に、会社がその承認の可否に関する決定の通知をしなかった場合には、 会社がその譲渡を承認したものとみなす旨の定めがある。この場合の一定期間と して最も適切なものはどれか。

  1. 週間
  2. 週間
  3. 20日間
  4. か月 (

設問2

) X 社で、本件の譲渡承認請求の可否について決定すべき機関として、最も適切 なものはどれか。

  1. 株主総会
  2. 代表取締役
  3. 代表取締役又は株主総会のいずれか
  4. 取締役会 ― 7― ◇M5(688―114)
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正解: 設問1 設問2

解答:設問1=イ、設問2=エ

〔リード〕譲渡制限株式の譲渡承認手続。みなし承認の期間と、承認機関の決定が論点。

設問1(みなし承認の期間)

譲渡承認請求がなされた日から一定期間内に会社が承認の可否の通知をしないと、譲渡を承認したものとみなされる(会社法145条1号)。この期間は原則「2週間」(定款で短縮可)。請求への対応を怠ると承認とみなされる点が甲氏への助言の根拠。公式正解は (=2週間に相当する選択肢)。

  • 「20日間」(株式買取請求等の他制度の期間)や「2か月」「3週間」は誤り。みなし承認の法定期間は2週間である。

設問2(承認の可否を決定する機関)

  • ア(×):株主総会。取締役会非設置会社では株主総会が承認機関となるが、本件のX社は取締役会設置会社であるため原則として取締役会が決定機関となる。
  • イ(×):代表取締役。承認機関は代表取締役個人ではない。
  • ウ(×):代表取締役又は株主総会のいずれか、ではない。
  • エ(○):取締役会。取締役会設置会社では、定款に別段の定めがない限り、譲渡承認の可否を決定する機関は取締役会である(会社法139条1項)。

よって設問1=、設問2=

#会社の種類・設立#株式・機関

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