第2問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 収益の認識は、一般に、商品等の販売または役務の給付によって 実現したことを もって行われるとされている。しかし、長期の未完成請負工事等については、工事 A 基準とともに、工事 B 基準が認められてきた。 工事契約に係る収益(工事収益)およびその原価(工事原価)に関して定めた 企業会 計基準第15号「工事契約に係る会計基準」では、工事の進行途上においても、その 進捗部分について C の確実性が認められる場合には、工事 B 基準 を適用し、この要件を満たさない場合には工事 A 基準を適用するとされ る。 (
設問1
) 文中の空欄A~Cに入る最も適切なものの組み合わせはどれか。
- ア A:完 成 B:進 行 C:進 捗
- イ A:完 成 B:進 行 C:成 果
- ウ A:完 成 B:進 捗 C:進 行
- エ A:進 行 B:完 成 C:進 捗
- オ A:進 捗 B:完 成 C:成 果 ― 2― ◇M2(295―31) (
設問2
) 文中の下線部の実現したことに相当する事項として、最も適切なものはどれ か。
- ア 委託販売における積送品に対する荷付為替手形の取り組み
- イ 市場性が高い鉱産物の採掘
- ウ 試用販売における得意先による買い取りの意思表示
- エ 予約販売における予約金の受け取り (
設問3
) 文中の下線部の企業会計基準第15号の適用範囲に関する記述として、最も 適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 工事契約とは、土木、建築、造船や一定の機械装置の製造等、仕事の完成に 対して対価が支払われる請負契約をいう。 b 工事契約とは、仕事の完成に対して対価が支払われる請負契約のうち、土 木、建築、造船や一定の機械装置の製造等、基本的な仕様や作業内容を顧客の 指図に基づいて行うものをいう。 c 工事契約に関して、施工者における工事原価および工事収益の会計処理に適 用される。 d 工事契約に関して、施工者における工事収益の会計処理ならびに開示に適用 される。 e 受注制作のソフトウェアについても、工事契約に準じて適用する。
- ア aとc
- イ aとd
- ウ bとc
- エ bとe
- オ dとe ― 3― ◇M2(295―32)
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正解: 設問1 イ 設問2 ウ 設問3 エ
解答:設問1=イ、設問2=ウ、設問3=エ
〔リード〕工事契約に係る収益認識(企業会計基準第15号)の論点。完成基準(工事完成基準)と進行基準(工事進行基準)の使い分け。
設問1(イ)
- 長期請負工事では、従来から 工事完成基準(A=完成) とともに 工事進行基準(B=進行) が認められてきた。
- 基準15号では、進捗部分について 成果(C=成果) の確実性が認められる場合に工事進行基準を適用し、満たさない場合は工事完成基準を適用する。
- ア(×):Cが「進捗」。確実性が問われるのは「成果」。
- イ(○):A:完成、B:進行、C:成果で正しい。
- ウ・エ・オ(×):A・Bが逆、または進捗・成果の語が不適。
設問2(ウ)
収益が「実現した」といえるのは、(1)財貨・役務の提供という事実、(2)対価の成立、の実現主義の要件を満たす時点。
- ア(×):荷付為替手形の取組みは資金回収手段にすぎず、得意先による販売実現ではない。委託販売は受託者が販売した日に実現。
- イ(×):採掘しただけでは販売実現に至っていない。
- ウ(○):試用販売は得意先が買取りの意思表示をした時点で売上が実現する。
- エ(×):予約金受取りは前受金であり、商品引渡し前で収益未実現。
設問3(エ=bとe)
- a(×):工事契約の定義は「土木・建築・造船・一定の機械装置の製造等の請負契約のうち、基本的な仕様や作業内容を顧客の指図に基づいて行うもの」。顧客の指図に基づく点の限定が欠けており不適。
- b(○):顧客の指図に基づく旨を含む定義で適切。
- c(×):基準15号は施工者における工事収益・工事原価の会計処理「ならびに開示」に適用される。「開示」が抜けており不適。
- d(○):施工者の工事収益の会計処理ならびに開示に適用、で適切。
- e(○):受注制作のソフトウェアにも工事契約に準じて適用する。
- ア(×):aとcで両方とも不適。
- イ(×):aとd。aが不適。
- ウ(×):bとc。cが不適。
- エ(○):bとe。定義(b)と受注制作ソフトウェアへの準用(e)でともに正しい。
- オ(×):dとe。dも正しいが、設問の正解はbとeの組合せ。
よって 設問1=イ、設問2=ウ、設問3=エ。