経営法務 H22年度 第18問

第18問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 金融商品取引法により、上場会社は財務報告に係る内部統制報告書の提出が義務 づけられている。 企業会計審議会が公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」 (以 下「本基準」という。)によれば、内部統制とは、基本的に、企業のつの目的の達成 のために企業内のすべての者によって遂行されるプロセスであり、つの基本的要 素から構成されると定義されている。このつの目的のうち、「財務報告の信頼性」 を確保するための内部統制を「財務報告に係る内部統制」と定義し、この有効性につ いて経営者による評価及び公認会計士等による監査についての考え方を示してい る。 中小企業においては、上場会社でない限りこのような基準の適用はないが、規模 がある程度以上の会社になると、健全な会社経営のために、会社が営む事業の規 模・特性等に応じた内部統制を整備することが求められている。 (

設問1

) 本基準で示している内部統制によって企業が達成すべきつの目的のうち、 「財務報告の信頼性」以外の目的として、最も不適切なものはどれか。

  1. 企業統治体制の確立
  2. 業務の有効性及び効率性
  3. 事業活動に関わる法令等の遵守
  4. 資産の保全 ― 22― ◇M5(295―138) (

設問2

) 経営者は、内部統制の目的を達成するために内部統制の基本的要素が組み込ま れたプロセスを構築し、それを適切に機能させていくことが求められている。本 基準ではつの基本的要素(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、 情報と伝達、モニタリング、IT への対応)を列挙している。 このうち、経営者の意向および姿勢のように、組織内のすべての者の統制に対 する意識に影響を与えるとともに、他の基本的要素の基礎をなすものとして最も 適切なものはどれか。

  1. 統制活動
  2. 統制環境
  3. モニタリング
  4. リスクの評価と対応 ― 23― ◇M5(295―139)
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正解: 設問1 設問2

解答:設問1=ア、設問2=イ

〔リード〕「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」(企業会計審議会)によれば、内部統制は4つの目的(業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守、資産の保全)の達成のため、6つの基本的要素(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング、ITへの対応)から構成される。

設問1(4つの目的のうち「財務報告の信頼性」以外として最も不適切なもの)

  • ア(×・不適切):「企業統治体制の確立」は内部統制の4つの目的に含まれない。これが最も不適切で正解。
  • イ(○・適切):「業務の有効性及び効率性」は4つの目的の一つ。
  • ウ(○・適切):「事業活動に関わる法令等の遵守」は4つの目的の一つ。
  • エ(○・適切):「資産の保全」は4つの目的の一つ。

設問2(経営者の意向・姿勢のように他の要素の基礎をなす基本的要素)

  • ア(×):統制活動は、経営者の命令・指示が適切に実行されることを確保するための方針・手続で、基礎をなす要素ではない。
  • イ(○):統制環境は、経営者の意向・姿勢のように組織内のすべての者の統制に対する意識に影響を与え、他の基本的要素の基礎をなすもの。最も適切。
  • ウ(×):モニタリングは内部統制が有効に機能していることを継続的に評価するプロセスで、基礎をなす要素ではない。
  • エ(×):リスクの評価と対応は組織目標の達成を阻害するリスクを識別・分析・評価し対応する要素で、基礎をなす要素ではない。

よって 設問1=ア、設問2=イ

#金融商品取引法・上場

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