第17問
金融庁の公表している「金融検査マニュアル」によれば、金融機関に対して自己査 定を行う体制の整備・確立を求めている。それによると、金融機関では、貸出金な どを債務者の信用リスクに応じて適切に管理するため、債務者を信用格付けやその 他の状況等により正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先及び破綻先に区分 (債務者区分)する。さらにそれぞれの債務者ごとの個別の債権の分類を行う。貸倒 引当金の算定は、この債務者区分や債権の分類に基づき行われる。 上記に関連した記述として、最も不適切なものはどれか。
- ア 債権の分類は、債権の資金使途等の内容を個別に検討し、担保や保証等の状況 を勘案のうえ、債権の回収の危険性又は価値の毀損の危険性の度合いに応じて行 うものとする。
- イ 債務者区分について、特に中小・零細企業等については、債務者の財務状況等 のほか、当該企業の技術力、販売力や成長性などの情報や代表者等の収入状況や 資産内容等を総合的に勘案するものとする。
- ウ 債務者区分の破綻懸念先の債務者は、さらに要管理先である債務者とそれ以外 の債務者とを分けて管理することが望ましい。要管理先である債務者とは、金利 減免などの貸出条件や、支払が延滞しているなどの履行状況に問題がある債務者 をいう。
- エ 信用格付は、債務者の財務内容、格付機関による格付、信用調査機関の情報な どに基づき、債務者の信用リスクの程度に応じて行われる。信用格付は、債務者 区分と整合的でなければならない。 ― 21― ◇M5(295―137)
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正解:ウ
解答:ウ
〔リード〕金融検査マニュアルの自己査定。債務者区分は正常先・要注意先・破綻懸念先・実質破綻先・破綻先の5区分。このうち「要管理先」は破綻懸念先ではなく、要注意先を細分化した概念であり、要管理債権(貸出条件緩和債権や3か月以上延滞債権)を有する債務者をいう。最も不適切なものを選ぶ。
- ア(○・適切):債権の分類は、資金使途等の内容を個別に検討し、担保・保証の状況を勘案のうえ、回収の危険性や価値毀損の危険性の度合いに応じて行う。正しい。
- イ(○・適切):中小・零細企業等については、財務状況のほか、技術力・販売力・成長性、代表者等の収入状況・資産内容等を総合的に勘案する。正しい。
- ウ(×・不適切):要管理先は「要注意先」を細分化したものであり、破綻懸念先を細分化したものではない。「破綻懸念先の債務者を要管理先とそれ以外に分けて管理する」とする点が誤りで、最も不適切。
- エ(○・適切):信用格付は、債務者の財務内容、格付機関の格付、信用調査機関の情報等に基づき信用リスクの程度に応じて行い、債務者区分と整合的でなければならない。正しい。
よって ウ。