第8問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 長期的に自動車産業を観察すると、自動車をめぐって幾度か大きな変化が起こっ ていることが分かる。馬車をいくら改良しても自動車にならないといわれるよう に、まず自動車が発明されなければならなかった。ガソリンエンジンを搭載して 自力で走行する自動車が A によって発明された。こうして誕生した初期の 自動車は、一品ごとの受注生産による高価なものであった。これを大衆的な乗り物 にするには量産技術が必要であった。 移動組立ラインによる大量生産の技術は、 20世紀初頭に米国で B によって生み出された。こうして自動車が普及す るにつれて、人々のニーズを反映した自動車が求められるようになり、多様な自動 車が作られるようになった。自動車が道路にあふれるようになると新たな問題が発 生した。 自動車が環境やエネルギーさらには人間社会とどのように調和していくか という問題である。21世紀の自動車は、これらの問題を克服するべくさまざまな 側面で大きな変化が求められている。特に日本は欧米よりもこの問題への技術対応 について先行しているといわれている。 (設問) 文中の空欄AとBに入る最も適切な人名の組み合わせを下記の解答群から選 べ。 a アルフレッド・スローン b カール・ベンツ c ジョヴァンニ・アニェッリ d ヘンリー・フォード e ルイ・ルノー
- ア A:a B:c
- イ A:a B:d
- ウ A:b B:d
- エ A:c B:e
- オ A:d B:e ― 12― ◇M3(557―60) (設問) 文中の下線部の生産を可能にした当時の条件について述べた記述として、最 も不適切なものはどれか。
- 作業条件の標準化と工程の専門化
- 車両デザインの限定と固定化
- 需要の価格弾力性がある潜在的に大きな市場の存在
- 生産ラインの労働者の多能工化
- 単一車種生産による生産の同期化 (設問) 下線部のように現代の自動車に問われる課題は、実は多くの産業で同様に直 面する課題でもある。そのような課題およびその克服をめぐる技術戦略が既に具 体的に取り組まれている。これに関する記述として、最も不適切なものはどれ か。
- 新たな動力源やエネルギー源の開発が重要であるが、これまでの自動車産業 の技術体系と異質であるし、開発コストが膨大にかかることから、自動車産業 では産官学の共同研究が活発である。
- 円滑な自動車交通を図るべく、ITS(Intelligent Transportation System)と呼 ばれる情報技術に支援された交通流システムの実証実験が自動車メーカーや情 報通信関連企業によって行われており、新しい産業需要を生み出すと期待され ている。
- 環境問題に対応すべく自動車のエレクトロニクス化が急ピッチで進んでお り、家電や重電の大手企業が自動車メーカーの有力なパートナーになってきて いる。
- 軽量で剛性が高く、乗り心地が良い車として、モジュール型アーキテク チャーの車体が自動車の大勢となり、自動車開発は全体最適を優先するように なってきた。
- わが国では環境にやさしく燃費のよいエンジンとして注目されるクリーン・ ディーゼルエンジン車の普及度は欧州に比べ低いといわれる。 ― 13― ◇M3(557―61)
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正解:ウ
解答:ウ
〔空欄AとBに入る人名の組み合わせ〕
- 空欄A(ガソリンエンジン自動車の発明者)=b カール・ベンツ。1885〜86年にガソリンエンジン搭載の自動車を実用化した人物。
- 空欄B(移動組立ラインによる大量生産を生み出した人物)=d ヘンリー・フォード。20世紀初頭、フォードがT型フォードでベルトコンベア式の移動組立ラインによる大量生産(フォードシステム)を確立した。
選択肢の他の人名:aアルフレッド・スローン(GMの事業部制・フルライン戦略)、cジョヴァンニ・アニェッリ(フィアット創業)、eルイ・ルノー(ルノー創業)。
- ア(×):A=スローン、B=アニェッリ。いずれも誤り。
- イ(×):A=スローン(誤り)、B=フォード(正)。Aが誤り。
- ウ(○):A=ベンツ、B=フォード。正しい組み合わせ。
- エ(×):A=アニェッリ、B=ルノー。いずれも誤り。
- オ(×):A=フォード、B=ルノー。いずれも誤り。
よって ウ。