経営法務 H21年度 第9問

第9問

C 社の代表取締役社長からの次の質問に対する回答として最も適切なものを下記 の解答群から選べ。 なお、C 社の商標◯◯とD 社の登録商標◯◯は、同一商標とし、商品「みそ」と 「菓子(クッキーを含む)」とは非類似の商品とする。 【C 社の代表取締役社長からの質問】 「当社は、平成20年(2008年)月に、平成16年(2004年)11月頃から製造・ 販売していた商品区分第30類クッキーについて商標◯◯を商標登録出願しま したところ、最近特許庁からD 社名義の登録商標◯◯(商品区分第30類:み そ、菓子) {出願日:平成15年(2003年)月30日、登録日:平成16年(2004 年)12月日}を引用されて拒絶理由通知書が来ました。当社内で調べました ところ、D 社は、登録商標◯◯を指定商品中「みそ」については使用している ことが判明しました。あと数日中に意見書を特許庁に提出しないといけないよ うですが、どのように対処すればよいでしょうか。」 ― 13― ◇M5(557―126)

  1. 御社の商標◯◯とD 社名義の登録商標◯◯とは、同一の商標であり、御社 の商標登録出願に係る指定商品「クッキー」とD 社名義の商標登録に係る指定 商品「みそ、菓子」とは同一若しくは類似の関係にあるため、意見書を提出して も仕方がないと思います。
  2. 御社の商標◯◯に関しては意見書を提出しても商標登録を受けることはでき ないと思いますが、御社の商標◯◯が、その出願前から製造・販売していた商 なんぴと 品「クッキー」について使用された結果、何人かの商品であることを需要者の間 で広く認識することができるに至っている場合であれば、D 社の登録商標の 存在にもかかわらず、その使用を継続することができると思います。
  3. 御社の商標◯◯は、その出願前から製造・販売していた商品「クッキー」につ なんぴと いて使用された結果、何人かの商品であることを需要者の間で広く認識するこ とができるに至っている場合であれば、D 社の商標登録に対して登録無効の 審判を請求して、当該登録無効の審判の審決が確定するまで審査の中止を審査 官に求める旨を記載した意見書を提出するのがよいと思います。
  4. 御社の商標◯◯をその製造・販売に係る「クッキー」について商標登録を受け るためには、指定商品「菓子」についてのD 社の商標登録を取り消すことが必 要です。D 社の登録商標◯◯は指定商品「菓子」について使用されていないよ うですので、D 社の指定商品「菓子」についての商標登録に対して不使用を理 由とする取消審判を請求して、当該取消審判の審決が確定するまで審査の中止 を審査官に求める旨を記載した意見書を提出するのがよいと思います。 ― 14― ◇M5(557―127)
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正解:

解答:エ

〔リード〕C社の出願商標◯◯(指定商品「クッキー」)に対し、D社の先願先登録商標◯◯(指定商品「みそ、菓子」)が引用され拒絶理由通知(商標法4条1項11号:先願に係る他人の登録商標と同一・類似で指定商品も同一・類似)が出された。「クッキー」は「菓子」に含まれ類似関係にあるため、引用商標のうち「菓子」が障害となる。問題文より、D社は引用商標を指定商品中「みそ」については使用しているが「菓子」については使用していない。継続して3年以上指定商品について使用していない登録商標は、**不使用取消審判(商標法50条)**により取り消しうる。「菓子」についての登録を不使用取消で消滅させれば、C社出願の拒絶理由(引用商標の「菓子」部分)が解消する。意見書では、当該取消審判の審決確定まで審査の中止を求めるのが適切な対処となる。

  • ア(×):「意見書を提出しても仕方がない」と何の対処もしない助言は不適切。不使用取消審判という有効な手段がある。
  • イ(×):「出願前からの使用で周知(需要者に広く認識)に至っていれば使用を継続できる」とするが、これは先使用権(商標法32条)類似の主張であり、他人の登録商標が存在する中で自らの登録を受けるための手段にはならない。本問は登録を受けるための対処を問うており不適切。
  • ウ(×):登録「無効」審判を請求するとするが、D社商標は適法に登録されており無効理由は問題文から認められない。障害は「菓子」についての不使用であり、無効審判ではなく不使用取消審判が適切。手段の選択を誤っている。
  • エ(○):D社が「菓子」について登録商標を使用していないことを理由に、指定商品「菓子」についての登録に対し不使用取消審判(商標法50条)を請求し、その審決確定まで審査の中止を求める旨の意見書を提出する、という対処が最も適切。これにより引用商標の「菓子」部分が消滅すれば、C社の「クッキー」についての登録が可能となる。

よって

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