経営法務 H21年度 第8問

第8問

X 社の代表取締役社長からの次の質問に対する回答として、最も不適切なものを 下記の解答群から選べ。 【X 社の代表取締役社長からの質問】 「当社は、以前からその製造・販売に係る特殊な構造を有するシャープペンシ ルについて実用新案権を保有していますが、競争会社Y 社が最近同一の構造 を有すると思われるシャープペンシルを製造・販売するようになりました。こ の製造・販売を止めさせたいと思いますが、どのようにすればよいでしょう か。」

  1. 御社の実用新案権に係る登録実用新案と競争会社Y 社の製造・販売に係る シャープペンシルの構造が同一であるか調べる必要があります。
  2. 実用新案権の存続期間は、特許権の存続期間より短く、実用新案登録出願の 日から10年で終了するので、実用新案登録出願の日がいつだったかを確認す ることが必要です。
  3. 実用新案権は、特許権と同様に排他的独占権の性質を有しているので、特許 庁の審査官が作成した実用新案技術評価書を提示しなくても、競争会社Y 社 の製造・販売の中止を求めることはできます。
  4. 当初年間分の登録料は、実用新案登録出願時に一時に納付されています が、実用新案権は、第年分以降の各年分の登録料を特許庁に納付しないと消 滅しますから、確認が必要です。 ― 12― ◇M5(557―125)
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正解:

解答:ウ

〔リード〕実用新案権は無審査登録主義(実体審査を経ずに登録)のため、権利行使にあたっては注意が要る。実用新案権者は、その権利を侵害する者等に対し権利を行使し、又はその警告をするには、特許庁の作成した実用新案技術評価書を提示して警告した後でなければ行使できない(実用新案法29条の2)。これは無審査ゆえ権利の有効性が担保されていないことに由来する。存続期間は出願日から10年(実用新案法15条)で特許権(出願から20年)より短い。最も不適切なものを選ぶ。

  • ア(×=適切):自社の登録実用新案とY社製品の構造が同一か調べる必要がある、という前提確認は適切。
  • イ(×=適切):実用新案権の存続期間は出願日から10年で特許権より短く、出願日の確認が必要、という説明は正しい。
  • ウ(○=最も不適切=正解):「実用新案技術評価書を提示しなくても製造・販売の中止を求めることができる」は誤り。実用新案権の行使(侵害警告を含む)には技術評価書を提示して警告することが必要(実用新案法29条の2)。排他的独占権であることは事実だが、無審査登録ゆえの権利行使の制限を看過しており不適切。
  • エ(×=適切):当初の登録料の納付や、各年分の登録料を納付しないと権利が消滅する(実用新案法32条等)点の確認が必要、という説明は正しい。

よって

#株式・機関#特許・実用新案

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