企業経営理論 H20年度 第16問

第16問

機能別部門組織をとるA 社は、これまで不定期に新商品企画を行いながら、耐 久消費財を生産するメーカーである。その新商品開発活動は、企画部門における商 品コンセプト設計、研究所における製品機能設計と製品試作、工場エンジニアリン グ部門における生産工程設計と量産設計、生産部門などの複数の部門にまたがる業 務の調整を通じて行ってきた。A 社の属する産業の規模が拡大し、競争が激しくな るにつれて、定期的に新商品開発を行う必要性が出てきた。 A 社の新商品開発組織に関する記述として、最も適切なものはどれか。 なお、「軽量級のプロダクトマネジャー」とは、予算執行権限や人事権などを持た ず弱い調整権限しか持たないマネジャーを、「重量級のプロダクトマネジャー」と は、予算執行権限や人事権など時には機能部門長以上の権限を持つマネジャーを、 それぞれ意味する。

  1. 既存の組織内で新商品開発を行うと、協力が得られにくいため、独立の新商品 開発プロジェクト組織を設置し、軽量級のプロダクトマネジャーを配置する。
  2. 商品開発過程全体でのやり直しに伴うコストを最小限にするためには、各過程 で十分な検査過程を経てから次の業務段階に移行するよう組織し、業務間の調整 の必要性を最小限にする。
  3. 商品コンセプト設計から生産に至るプロセスを連続的(sequential)に組織化 し、各段階が終了したら次の段階にスムーズに移行できるよう、調整担当者とし て重量級のプロダクトマネジャーをおく。
  4. 商品コンセプト設計段階から、製品機能設計や試作段階の技術者を参加させて 直接コミュニケーションを促すなど、複数の業務をオーバーラップさせながら重 量級のプロダクトマネジャーに管理を任せる。 ― 23― ◇M3(743―70)
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正解:

解答:エ

〔リード〕競争激化で定期的な新商品開発が必要になったA社の新商品開発組織。「最も適切」を選ぶ。開発期間短縮・部門間調整には、開発段階をオーバーラップさせるコンカレント・エンジニアリングと、強い権限を持つ重量級プロダクトマネジャーが有効。

  • ア(×):弱い調整権限しか持たない軽量級プロダクトマネジャーでは、部門横断的な調整力が不足し、競争激化下の迅速な開発に対応しにくい。最適とはいえず不適切。
  • イ(×):各段階で十分な検査を経てから次へ移す逐次型は、調整を最小化する一方で開発リードタイムが長くなり、競争激化への対応として不適切。
  • ウ(×):プロセスを連続的(sequential)に組織化し各段階終了後に次へ移行する方式は、重量級PMを置いても開発の同時並行性が乏しく、スピードが出ない。最適でない。
  • エ(○):商品コンセプト設計段階から後工程(製品機能設計・試作)の技術者を参加させ直接コミュニケーションを促し、複数業務をオーバーラップさせつつ重量級プロダクトマネジャーに管理を委ねる。コンカレント・エンジニアリングと強い統合権限の組み合わせで、開発期間短縮と部門間統合に最も適切。

よって、最も適切な

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