経営法務 H20年度 第14問

第14問

インターネットや携帯電話の掲示板などで誹謗中傷を受けたり、個人情報を掲載 されて、個人の権利が侵害されるなどの事案が発生したときの責任や権利について 定められた法令に「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報 の開示に関する法律」いわゆるプロバイダ責任制限法がある。その実効性を期待さ れて成立したが、実際に運用が始まってみるといろいろと問題も生じてきた。 この法律の内容について、最も不適切なものはどれか。

  1. 権利者は書き込みを行った発信者情報の開示をプロバイダに請求できるが、開 示請求した権利者の「権利が侵害されたことが明らかであるとき」に限られ、明ら かかどうかについての一次的な判断はプロバイダに委ねられている。
  2. 発信者の「表現の自由」を著しく侵害したり、誤って発信者情報を開示してしま う可能性などがあり、プロバイダには慎重な判断が求められるため、プロバイダ に故意もしくは重大な過失がなければ、開示請求に応じなくても賠償責任を負わ ないことを定めている。
  3. プロバイダには自己が管理するサイトについて常時監視義務が規定され、権利 者から通知があった情報については、自己の管理するサイト内において違法な侵 害行為があるか否かについて、常に監視していなければならないとされている。
  4. プロバイダは、権利を侵害されたとする被害者から書き込み内容の削除要請が あったとき、要請があったことを書き込みした人物に対して伝えたにもかかわら ず日以内に返事がない場合には、削除などの「送信防止措置」をとることができ る。 ― 16― ◇M5(743―132)
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正解:

解答:ウ

〔リード〕プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)の内容について、最も不適切なものを選ぶ。発信者情報開示の要件、プロバイダの免責、送信防止措置の手続が論点。

  • ア(×=適切):権利者は発信者情報の開示をプロバイダに請求できるが、「権利が侵害されたことが明らかであるとき」等の要件を満たす場合に限られ(法4条1項)、その判断は一次的にプロバイダに委ねられている。適切。
  • イ(×=適切):発信者の表現の自由の侵害や誤開示のおそれがあるため、プロバイダは故意又は重大な過失がなければ、開示請求に応じなかったことによる賠償責任を負わない(法4条4項)。適切。
  • ウ(○=最も不適切=正解):プロバイダ責任制限法は、プロバイダに自己の管理するサイトを「常時監視する義務」を課していない。むしろ一定の場合にプロバイダの損害賠償責任を制限・免責するのが趣旨であり、常時監視義務が規定されているというのは誤り。最も不適切でこれが正解。
  • エ(×=適切):被害者から削除(送信防止措置)の申出があり、その内容を発信者に照会して7日以内に同意しない旨の申出がない場合、プロバイダは送信防止措置を講じても発信者に対する賠償責任を負わない(法3条2項2号)。適切。

よって

#知的財産その他・IT法務

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