経営法務 H20年度 第9問

第9問

中小企業診断士のあなたは、地方都市の野菜の卸会社であるE株式会社を訪問し た際に、そこの社長との間で次のような会話を交わした。この会話の中の空欄A~ Dに入るものとして、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。 社 長:「うちの会社で取り扱っている、この地域の地名◯◯に野菜の普通名称 を組み合わせてこれを商品名「◯◯ 」とする野菜 は、この地域 の特産品ですが、~年前から隣接他県でも知られるところとなり、引 き合いも多く、取扱高も増えています。ところが、人気が出てきたせい か、最近この地域以外で生産された野菜 にまで◯◯の地名を付けて 「◯◯ 」の商品名で出荷されてくるようになってきています。この地域 の活性化を図る旗振り役を務めている私としては、これ以上他地域で生産 された野菜 に、この地域の地名◯◯を組み合わせた「◯◯ 」の商標 が使用されないようにするために、何とかしたいと考えていますが、何か 方法はありませんか。ほら、何とかという地域ブランドの登録制度がある と聞いていますが。」 あなた:「それは A のことではないかと思います。確か平成18年の月か ら登録が認められるようになっています。」 社 長:「そうそう、それそれ、それってうちの会社でも出願することができるの ですかね。会社でだめならば私個人でも構いませんが・・・。」 あなた:「いや、この A も B ですから、確か株式会社ではだめだ と思いますよ。社長個人でもだめだと思います。」 社 長:「それでは一体誰が登録出願をすればよいのですか。」 あなた:「この場合は、この地域の C が最適と考えます。」 社 長:「あ、そう、なるほどね。それではこの地域の C には私の幼なじ みがいるので、早速話をしてみましょう。その他に、この A を取 得するのに必要なことはありませんか。」 あなた:「そうですね、この野菜 の商品名「◯◯ 」は、隣接他県にも知られ ているようですが、ただ出願しただけでは足らず、必ず D を証明 する資料が必要のようです。詳しくは私の友人である弁理士を紹介いたし ますので、相談してみてください。」 ― 10― ◇M5(743―126)

  1. A:地域団体商標
  2. B:団体商標
  3. C:農業協同組合
  4. D:著名性 ― 11― ◇M5(743―127)
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正解:

解答:エ

〔リード〕「地名+商品の普通名称」からなる地域ブランドを他地域の業者に使わせないための制度(地域団体商標)について、会話中の空欄A〜Dの語句の正誤を問う。最も不適切なものを選ぶ。

地域団体商標制度(平成18年4月施行)は、地域名と商品・役務名等からなる商標を、一定の要件のもとで登録できる制度。出願できるのは、事業協同組合等の組合(法人格があり、設立根拠法に組合員資格を有する者の加入の自由が定められているもの)、農業協同組合、漁業協同組合、商工会、商工会議所、NPO法人等に限られ、株式会社や個人は出願できない。また、登録には商標が需要者の間に広く認識されている(周知性)ことが要件となる。

  • ア(×=適切):A=地域団体商標。地域ブランドを保護するために平成18年から登録が認められた制度であり、文脈に合致する。適切。
  • イ(×=適切):B=団体商標。地域団体商標は組合等の団体が出願主体となる団体商標型の制度であり、「株式会社・個人ではだめ」という理由づけとも整合する。適切。
  • ウ(×=適切):C=農業協同組合。野菜の地域ブランドの出願主体として、農業協同組合は地域団体商標を出願できる適格な団体。適切。
  • エ(○=最も不適切=正解):D=著名性。地域団体商標の登録に必要なのは「周知性」(一定地域の需要者に広く認識されていること)であって、全国的に知られる「著名性」までは要求されない。証明すべき事項を「著名性」とするのは誤りで、最も不適切。これが正解。

よって

#会社の種類・設立#株式・機関#意匠・商標

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