企業経営理論 H19年度 第14問

第14問

企業組織の境界の決定要因の一つに取引コスト(transaction cost)がある。取引 コストと境界の決定に関する記述として最も適切なものはどれか。

  1. 当該企業に特有の知識などを必要とする特異性が高い職務についての労働力市 場は、内部化したほうが労使間の情報の非対称性が大きくなるため、取引コスト を低くすることができる。
  2. 当該部品を供給できる企業の数が少ない場合には、市場メカニズムを通じて取 引すると取引相手が機会主義的に行動できる余地が少なくなるので、内部化した ほうが取引コストを低くすることができる。
  3. 取引主体の合理性の限界を超える複雑な職務の場合、組織に内部化するより も、市場メカニズムを通じて調達したほうが取引コストが低くなる。
  4. 内部労働市場では組織が個人を評価する能力が高くなるので、個人の機会主義 的な行動を抑制し、取引コストを低く抑えることができる。 ― 18― ◇M3(023―59)
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正解:

解答:エ

〔リード〕取引コスト(ウィリアムソン)と企業組織の境界に関し「最も適切」な記述を選ぶ。選択肢は順にア・イ・ウ・エ。取引コストは資産特殊性・不確実性・取引頻度が高いほど大きくなり、市場取引より内部化(組織化)が有利になる。

  • ア(×):企業特有の知識を要する特異性(資産特殊性)の高い職務の労働力は内部化したほうが取引コストを低減できるが、内部化の根拠は機会主義の抑制であって「内部化したほうが情報の非対称性が大きくなるため」という理由付けが誤り。
  • イ(×):供給企業の数が少ない(少数性)と、市場取引では相手が機会主義的に行動できる余地が大きくなるため、内部化が有利になる。「機会主義的に行動できる余地が少なくなる」とする理由が誤り。
  • ウ(×):合理性の限界を超える複雑な職務は不確実性が高く、市場取引では契約が困難で取引コストが高くなるため、内部化したほうが有利。「市場メカニズムを通じて調達したほうが取引コストが低い」は逆で誤り。
  • エ(○):内部労働市場では組織が個人を継続的に評価する能力が高まるため、個人の機会主義的行動が抑制され取引コストを低く抑えられる。正しい。

よって

#組織理論・コンティンジェンシー

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