第8問
特許法は、その第35条で職務発明について規定を置いている。この規定の内容 として、最も不適切なものはどれか。
- ア 従業者等は、勤務規則等の定めにより、職務発明について使用者等に特許を受 ける権利を承継させたり、もしくは当該職務発明についての特許権を承継させた りした場合には、使用者等より相当の対価の支払を受ける権利を有する。
- イ 職務発明でない場合に、あらかじめ勤務規則等で使用者等が特許を受ける権利 を承継できる旨を定めても、それは無効である。
- ウ 職務発明とは、従業者等が、その性質上使用者等の業務範囲に属し、かつ、そ の発明をするに至った行為がその使用者等における従業者等の現在または過去の 職務に属する発明をいう。
- エ 職務発明に関する相当の対価を決定するための基準は、重要な事項であるか ら、必ず勤務規則で定めなくてはならない。 ― 10― ◇M5(023―113)
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正解:エ
解答:エ(最も不適切)
〔リード〕特許法35条の職務発明に関する規定。「最も不適切」型なので正解=誤りの記述。職務発明は従業者に原始的に帰属し、勤務規則等で使用者に承継させた場合は相当の対価請求権が発生する。一方、非職務発明についての予約承継は無効とされる。
- ア(○・正しい):従業者等が勤務規則等の定めにより職務発明について特許を受ける権利や特許権を使用者等に承継させた場合、使用者等から相当の対価の支払を受ける権利を有する(特許法35条)。正しい記述。
- イ(○・正しい):職務発明でない発明(業務発明・自由発明)について、あらかじめ勤務規則等で使用者等が特許を受ける権利を予約承継できる旨を定めても無効である(特許法35条2項)。正しい記述。
- ウ(○・正しい):職務発明とは、従業者等がした発明で、その性質上使用者等の業務範囲に属し、かつその発明をするに至った行為が使用者等における従業者等の現在または過去の職務に属するものをいう(特許法35条1項)。正しい記述。
- エ(×・不適切=正解):相当の対価を決定するための基準は重要であるが、それを「必ず勤務規則で定めなくてはならない」という規定はない。35条は対価決定にあたり協議の状況・基準の開示・意見聴取等の手続が不合理でないことを求めるにとどまり、勤務規則での基準策定は義務ではない。したがってこの記述が最も不適切。
よって エ。