MROCとは
MROC(Market Research Online Community)とは、調査目的で構築されたオンラインコミュニティに一定期間メンバーを参加させ、ディスカッション、日記投稿、課題への回答などを通じて継続的にインサイトを収集するリサーチ手法です。従来のFGIやインタビューの「一時点の調査」から、「継続的な対話」へとリサーチのパラダイムを拡張する手法として注目されています。
MROCの運営方法
①メンバー募集(通常20〜100名程度、ターゲット条件に合う対象者を選定)、②専用プラットフォームの構築(掲示板、日記機能、投票機能、画像投稿機能等を備えたサイト)、③テーマの投げかけと議論の促進(モデレーターが定期的に課題を提示)、④期間設定(短期型:1〜4週間、長期型:3〜12ヶ月)、⑤データの分析・レポーティング。モデレーターの投げかけの質がMROCの成果を大きく左右します。
MROCのメリット
①長期間にわたる態度・行動変化の追跡、②参加者同士の相互刺激によるアイデア創発、③日記調査との組み合わせによるリアルタイムの体験把握、④地理的制約のない多様な参加者の確保、⑤テキスト・画像・動画によるリッチな定性データの収集、⑥追加質問や深掘りが柔軟にできる。特に新商品開発プロセスにおける消費者との共創(コクリエーション)に有効です。
MROCの課題と成功のポイント
①参加者のモチベーション維持(活動の活性化が最大の課題)、②適切なインセンティブ設計、③プライバシーの保護と倫理的配慮、④データ量の膨大さに対する効率的な分析手法、⑤代表性の問題(積極的に参加する人と消極的な人の偏り)。成功のためには、メンバーが「参加してよかった」と感じられる双方向の対話と、タイムリーなフィードバックの提供が重要です。
具体例・事例
MROCは、調査目的でつくったオンラインコミュニティに一定期間メンバーが参加し、継続的に意見を集める手法です。
- 継続的なディスカッション:テーマを変えながら、数週間にわたり意見を交わしてもらいます。
- 課題への投稿:日々の利用記録や写真を投稿してもらい、生活実態を把握します。
- 双方向のやり取り:運営側が質問を投げかけ、メンバーが反応します。ある食品メーカーの想定では、愛用者を集めたオンラインの場で、商品の使い方や改善要望を継続的に聞き取りました。
どんなときに使う?(活用シーン)
単発の調査では分からない、時間をかけた本音や生活の変化を捉えたいときに使われます。
- 深い顧客理解:長期間の対話から、表面的でない本音をつかみます。
- 共創・アイデア出し:顧客と一緒に商品やサービスを考えます。
- 継続的なファンの声:熱心な利用者から、改善や新商品のヒントを得ます。中小企業でも、LINEグループやSNSの非公開グループを使えば、簡易的に顧客との継続的な対話の場をつくれます。
よくある質問
Q. FGIと何が違うのですか?
A. FGIは一度きり、数時間で完結します。MROCは数週間など長期間にわたり、オンラインで継続的に対話します。時間をかけることで、その場では出ない深い本音や、生活の中での変化を捉えられるのが特徴です。
Q. メンバーに参加し続けてもらうには?
A. 話しやすいテーマや楽しめる課題を用意し、運営側が反応を返すことが継続の鍵です。一般に、メンバーが「自分の声が活かされている」と感じられると、積極的な参加が続きやすくなります。