デスクリサーチとは
デスクリサーチ(二次調査)とは、既に存在するデータや文献、公開情報を収集・分析するリサーチ手法です。一次調査(自ら新たにデータを収集する調査)に対して、既存の情報を「机上(デスク)で」調べることからこの名称がついています。コストと時間を最小限に抑えながら、市場の基本的な情報を把握できる効率的な手法です。
デスクリサーチの情報源
①政府統計(総務省統計局、経済産業省、e-Stat等)、②業界団体の資料・白書、③調査会社のレポート(矢野経済研究所、富士経済、IDC等)、④企業のIR資料・有価証券報告書、⑤学術論文・研究報告、⑥新聞・業界誌の記事、⑦Webサイト・プレスリリース、⑧特許情報。信頼性の高い情報源を複数クロスチェックすることが重要です。
デスクリサーチの活用場面
①プロジェクト初期の市場概況把握、②一次調査の仮説構築(何を調べるべきかの当たりをつける)、③市場規模・市場動向の把握、④競合企業の基本情報収集、⑤海外市場の概要調査、⑥ビジネスケースの根拠データ収集。一次調査を実施する前にデスクリサーチを行うことで、一次調査の設計精度が高まり、全体の調査コストを削減できます。
デスクリサーチの限界と注意点
①情報の鮮度(古いデータは現状を反映していない可能性)、②目的との適合性(他目的で作成されたデータが自社の課題に合致するとは限らない)、③データの定義・調査方法の違い(出所が異なるデータの比較には注意)、④バイアスの存在(情報発信者の意図や利害が反映されている可能性)。デスクリサーチで得た情報を鵜呑みにせず、批判的に評価する姿勢が重要です。
具体例・事例
デスクリサーチは、既にある公開情報や文献を集めて分析する手法です。
- 公的統計の活用:国や自治体が公開する人口・産業データから、市場の基礎情報をつかみます。
- 業界レポートの確認:調査会社や業界団体の資料で、市場規模やトレンドを把握します。
- 競合情報の収集:競合のWebサイトやニュースから、動向を読み取ります。ある小売店では、商圏の人口統計を調べ、ターゲット層の規模を見積もってから出店を判断しました。
どんなときに使う?(活用シーン)
低コスト・短時間で市場の全体像をつかみたいときの第一歩として使われます。
- 調査の前段階:本格調査の前に、分かっていることを整理し論点を絞ります。
- 事業計画づくり:市場規模や成長性のデータを計画の根拠にします。
- 新規参入の検討:既存情報から、参入余地や競争状況を把握します。中小企業では、e-Statなどの無料の公的統計を使うだけでも、商圏分析や需要の見込みに役立てられます。
よくある質問
Q. デスクリサーチだけで十分ですか?
A. 市場の全体像や基礎情報はデスクリサーチでつかめますが、自社の顧客特有の声や最新の生の反応までは分かりません。一般に、まずデスクリサーチで基盤を固め、必要に応じて自ら調べる一次調査を加えると効果的です。
Q. 信頼できる情報源を見分けるには?
A. 公的機関や業界団体、定評ある調査会社など、出所が明確で作成者が信頼できる情報を優先します。データの調査時期や定義、対象範囲を確認し、古すぎる情報や根拠不明な数値は鵜呑みにしないことが大切です。