FGI(フォーカスグループインタビュー)とは
FGI(Focus Group Interview)とは、6〜8名程度の対象者をグループにして、モデレーター(司会者)の進行のもとで特定テーマについて自由に討議してもらう定性調査手法です。参加者同士の相互作用(グループダイナミクス)により、個人では思いつかない多様な意見やアイデアが引き出されることが最大の特徴です。
FGIの実施プロセス
①調査目的とリサーチクエスチョンの設定、②対象者条件(スクリーニング条件)の設計、③ディスカッションガイド(インタビューフロー)の作成、④リクルーティング(対象者の募集・選定)、⑤インタビュー実施(通常90〜120分)、⑥発言録の作成、⑦分析・レポーティング。通常、同じテーマで3〜4グループ実施し、意見の飽和(サチュレーション)を確認します。
モデレーターの役割とスキル
FGIの成否はモデレーターの力量に大きく依存します。優秀なモデレーターは、①参加者全員が発言しやすい雰囲気を作り、②特定の人物による議論の独占を防ぎ、③表面的な回答の裏にある本音を引き出し、④議論の脱線を適切にコントロールします。誘導的な質問を避け、中立的な立場を保つことが重要です。
FGIの限界とオンラインFGI
FGIの限界として、①少人数のため結果の一般化が困難、②集団圧力により本音が出にくい場合がある(同調バイアス)、③モデレーターの力量への依存度が高い点が挙げられます。近年はZoomやTeamsを用いたオンラインFGIが普及し、地理的制約の解消やコスト削減のメリットがある一方、非言語情報の把握やグループダイナミクスの生成には課題があります。
具体例・事例
FGIは6〜8名のグループで、司会者の進行のもと自由に意見を出し合う定性調査です。
- 新商品の評価:参加者の率直な感想や、互いの意見に触発された気づきを集めます。
- アイデアの発想:自由な議論から、個人では出ない多様な発想を引き出します。
- 言葉の反応を観察:あるテーマへの賛否や温度感をその場で見ます。ある地域の商店街では、利用者数名に集まってもらい、商店街の魅力や不満を語り合ってもらって改善のヒントを得ました。
どんなときに使う?(活用シーン)
参加者同士のやり取りから、多様な意見やアイデアを短時間で得たいときに使われます。
- 仮説の探索:調査の初期段階で、論点や切り口を見つけます。
- コンセプトの反応確認:新しい企画への反応を多角的に把握します。
- 言葉づかいの収集:消費者が使う生の表現を集め、訴求に活かします。ある飲食店では、常連数名に新メニューの感想を語り合ってもらい、人気が出そうな品を絞り込みました。
よくある質問
Q. デプスインタビューとの違いは何ですか?
A. FGIは複数人の議論から相互作用でアイデアを広げるのに向きます。デプスインタビューは1対1で個人の本音を深く掘るのに向きます。発想を広げたいならFGI、深く理解したいならデプスと使い分けます。
Q. 声の大きい人に意見が引っ張られませんか?
A. 確かにその傾向はあり、司会者の進行が重要です。全員に発言を促す、少数意見も拾う、テーマを明確に区切るなどの工夫で、特定の参加者に偏らずバランスの取れた意見を集めることができます。