ウェハー(Wafer)とは、半導体チップの製造に使用される薄い円盤状のシリコン基板です。高純度の単結晶シリコンから切り出され、その表面にフォトリソグラフィなどの微細加工技術を用いてトランジスタや回路を形成します。AIチップを含むすべての半導体はウェハー上に製造されます。
ウェハーのサイズと製造
現在の主流は直径300mm(12インチ)ウェハーです。1枚のウェハーから数十から数百個のチップが切り出されます。チップの面積が大きいほど1枚のウェハーから取れるチップ数は少なくなり、欠陥に当たる確率も増えるため、歩留まり(良品率)が低下します。
AIチップとウェハーの関係
AIチップは高い演算性能を実現するために大型のダイサイズを必要とすることが多く、歩留まりの確保が大きな課題です。NVIDIA H100のダイサイズは約814mm²と非常に大きく、300mmウェハーから取れるチップ数は限られます。これがAIチップの高価格の一因でもあります。
ウェハーレベルの新技術
Cerebras社のWSE(Wafer-Scale Engine)は、ウェハー全体を1つの巨大チップとして使用する革新的なアプローチです。300mmウェハー全面に演算コアを配置し、通常のチップの数十倍の面積を持つ超大規模AIプロセッサを実現しています。また、TSMCのInFO(Integrated Fan-Out)やCoWoS(Chip on Wafer on Substrate)などの先進パッケージング技術もウェハーレベルで実装されています。