この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。
第10問
論点:マークアップ率と価格転嫁力指標(企業規模別・業種別)
次の文章の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の 解答群から選べ。 中小企業の価格転嫁力を測る指標として、「マークアップ率」と「価格転嫁力指標 (付加価値デフレーター)」がある。 中小企業庁「中小企業白書 小規模企業白書2025 年版」に基づき、マークアップ率 を企業規模別に見た場合、中小企業は大企業を A 。ま た、マークアップ率を業種別に見た場合、製造業は非製造業を B 。 次に、価格転嫁力指標を企業規模別に見た場合、中小企業は大企業を C 。とりわけ製造業では、大企業がプラスで推移している一方、中小企業は D で推移している。 なお、マークアップ率とは、限界費用に対する価格の比率をいう。価格転嫁力指 標とは、付加価値デフレーターの変化率でとらえたものである。
- ア A:上回る B:上回る C:上回り D:プラス
- イ A:上回る B:下回る C:下回り D:マイナスからゼロ近傍
- ウ A:下回る B:上回る C:上回り D:プラス
- エ A:下回る B:上回る C:下回り D:マイナスからゼロ近傍
- オ A:下回る B:下回る C:下回り D:マイナスからゼロ近傍
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正解:エ
解答:エ
2025 年版中小企業白書のコラム1-1-7 で新たに取り上げられた、価格転嫁力に関する2 つの指標の論点。押さえるべき大小関係は次の3 点。
- マークアップ率:中小企業<大企業(コラム1-1-7③図)。中小企業は限界費用に対して十分な価格を設定できていない。
- マークアップ率:製造業>非製造業(同図)。業種別では製造業の方が高い。
- 価格転嫁力指標:中小企業<大企業(コラム1-1-7①図)。とりわけ製造業では大企業がプラス、中小企業はマイナスからゼロ近傍で推移している(非製造業では大企業・中小企業ともプラス)。
規模別(中小<大)と業種別(製造>非製造)で「向き」が異なる点を混同しないことが最大のポイント。
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A=下回る:マークアップ率は中小企業が大企業を下回る。
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B=上回る:マークアップ率は製造業が非製造業を上回る。
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C=下回り:価格転嫁力指標も中小企業が大企業を下回る。
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D=マイナスからゼロ近傍:製造業の中小企業の価格転嫁力指標はマイナスからゼロ近傍で推移。
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ア(×):A・Cとも「上回る」とする点が誤り。マークアップ率も価格転嫁力指標も中小企業は大企業を下回る。Dも誤りで、製造業の中小企業はマイナスからゼロ近傍である。
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イ(×):Aを「上回る」とする点が誤り(中小<大企業)。Bを「下回る」とする点も誤りで、マークアップ率は製造業>非製造業である。
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ウ(×):Cを「上回り」、Dを「プラス」とする点がいずれも誤り。価格転嫁力指標は中小企業が大企業を下回り、製造業の中小企業はマイナスからゼロ近傍で推移している。
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エ(○):A:下回る、B:上回る、C:下回り、D:マイナスからゼロ近傍、で整合する。
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オ(×):Bを「下回る」とする点が誤り。マークアップ率は製造業が非製造業を上回る。
よって エ。
なぜこの論点を予想したか
マークアップ率・価格転嫁力指標は過去に出題例がない完全な新視点だが、2025年版白書の第1部第1章第6節にコラムとして新設された。白書の新規コラムは翌年度試験で問われやすく、価格転嫁(R06出題)の発展論点として押さえておく価値がある。
出典
- 中小企業庁「中小企業白書 小規模企業白書 2025年版」第1部第1章第6節 コラム1-1-7①図・コラム1-1-7③図 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/chusho/b1_1_6.html