この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。
第7問
論点:価格交渉・価格転嫁の状況
次の文章の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の 解答群から選べ。 原材料価格や労務費の上昇が続く中、中小企業にとって価格転嫁は重要な課題と なっている。 中小企業庁の調査に基づき、2024 年における価格交渉・価格転嫁の状況を見た場 合、価格交渉を必要とした事業者のうち、実際に価格交渉が行われた事業者の割合 は A を超えている。また、「コスト全般」の価格転嫁率は、直近では B 程度まで上昇している。 他方、取引段階別に価格転嫁の状況を見ると、1次請けから下流の取引段階に行 くほど、価格転嫁率が「0割」であるとの回答割合は C なっている。 なお、価格転嫁率とは、コスト上昇分に対して価格転嫁できた金額の割合をいう。
- ア A:5割 B:5割 C:高く
- イ A:5割 B:8割 C:高く
- ウ A:8割 B:5割 C:高く
- エ A:8割 B:5割 C:低く
- オ A:8割 B:9割 C:低く
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正解:ウ
解答:ウ
2025 年版中小企業白書で独立した節(第1部第1章第6節)が設けられた価格転嫁の論点。押さえるべき数値は3 つ。
- 価格交渉が行われた割合=8 割超(第1-1-48図):2024 年、価格交渉を必要とした事業者の8 割超で実際に価格交渉が行われた。交渉の「機会」自体は広く確保されつつある。
- 「コスト全般」の価格転嫁率=5 割程度(第1-1-49図):交渉は行われても、コスト上昇分の半分程度しか転嫁できていない。
- 下流ほど「0 割」が増える(第1-1-50図):1 次請けから下流の取引段階に行くほど、転嫁率が「0 割」との回答割合が高まる。サプライチェーンの末端ほど転嫁が困難。
「交渉の割合(8 割)> 転嫁率(5 割)」という大小関係の取り違えが最大の引っかけポイント。
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A=8 割:価格交渉が行われた事業者の割合は8 割超。
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B=5 割:「コスト全般」の価格転嫁率は5 割程度。
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C=高く:下流に行くほど「0 割」回答の割合は高くなる。
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ア(×):Aを「5 割」とする点が誤り。価格交渉が行われた割合は8 割超である。
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イ(×):A・Bが入れ替わっている。価格交渉が行われた割合が8 割超、価格転嫁率が5 割程度であり、逆である。
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ウ(○):A:8 割、B:5 割、C:高く、で整合する。
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エ(×):A・Bは正しいが、Cを「低く」とする点が誤り。下流ほど「0 割」の回答割合は高まる。
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オ(×):Bを「9 割」とする点が誤り(価格転嫁率は5 割程度)。Cも誤り。
なお、原材料・商品仕入単価DIは高水準が続いており、売上単価DIとの差は埋まっていない(採算DIはおおむね横ばい)(第1-1-47図)。
よって ウ。
なぜこの論点を予想したか
価格転嫁は過去19年でR06の1回のみだが、2025年版白書で第1部第1章に独立した節(第6節)が設けられ大幅に記述が拡充された新視点論点。令和8年1月施行の中小受託取引適正化法(取適法)とも連動しており、出題可能性が高い。
出典
- 中小企業庁「中小企業白書 小規模企業白書 2025年版」第1部第1章第6節 第1-1-47図・第1-1-48図・第1-1-49図・第1-1-50図 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/chusho/b1_1_6.html