企業経営理論 R07年度 第10問

第10問

ユーザー・イノベーションに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 個人によるユーザー・イノベーションは、コミュニティを通じたユーザー・イ ノベーションよりも普及しやすい傾向にある。
  2. ユーザー・イノベーションとは、企業の開発者が主体となり、アンケートやイ ンタビューを活用して、顧客のニーズを調査し、その結果を製品開発に反映する プロセスである。
  3. ユーザー・イノベーションは、イノベーションのジレンマを引き起こし、既存 企業が破壊的イノベーションに対応できなくなる原因となる。
  4. ユーザー・イノベーションは、ユーザーが持つニーズ情報の粘着性が高く、技 術情報の粘着性が低い場合に起こりやすい。
  5. ユーザー・イノベーションは、リード・ユーザーと呼ばれる、特定の企業への 忠誠度が高いユーザーによって引き起こされる傾向が強い。
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正解:

解答:エ

フォン・ヒッペルのユーザー・イノベーション論を問う。ニーズ情報の粘着性(移転しにくさ)が高く技術情報の粘着性が低いとき、ユーザー側でのイノベーションが起こりやすい。

  • ア(×):個人単独より、コミュニティを通じて情報共有・改良が積み重なるほうが普及しやすい。「個人のほうが普及しやすい」は一般化として不適切。
  • イ(×):企業の開発者が主体となりアンケート等でニーズを調査し製品開発に反映するのは従来型のメーカー主導イノベーションであり、ユーザー自身が革新を生むユーザー・イノベーションの定義とは異なる。
  • ウ(×):イノベーションのジレンマ(クリステンセン)は破壊的技術への既存企業の対応問題であり、ユーザー・イノベーションがそれを「引き起こす原因」とするのは誤り。
  • エ(○):ニーズ情報の粘着性が高く(メーカーに移転しにくく)、技術情報の粘着性が低い(ユーザーが技術を入手・利用しやすい)場合、ニーズを持つユーザー自身が開発するほうが効率的でユーザー・イノベーションが起こりやすい。正しい。
  • オ(×):リード・ユーザーは市場の将来ニーズを先取りし強いニーズを持つ先進的ユーザーであって、「特定企業への忠誠度が高いユーザー」ではない。定義が誤り。

よって

#技術経営・イノベーション

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