第16問
複雑な意思決定において、意思決定者は完全な合理性を追求できるだけの情報処 理能力を持たないとされる。このような「制約された合理性」の下での意思決定に関 する記述として、最も不適切なものはどれか。
- ア 意思決定者は、意思決定に際して利用可能な全ての代替案のうち、限られた数 の代替案のみを考慮する。
- イ 意思決定者は、代替案が満たすべき最低限の水準を設定し、その水準を満たす 代替案を見つけた時点で、その代替案を選択するとともに代替案の探索を終了す る意思決定原理に従う。
- ウ 各代替案によって将来的に引き起こされる結果に関する知識は、不完全で部分 的なものとなる。
- エ 各代替案によって将来的に引き起こされる全ての結果に対して、それらを最も 好ましいものから最も好ましくないものまで順位づける一貫した効用関数を、意 思決定者はあらかじめ持つ。
- オ 反復的な意思決定を行う状況では、意思決定者は行動プログラムのレパート リーを作り、それらを代替案の集合として意思決定に利用する。
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正解:エ
解答:エ
最も不適切なものを選ぶ問題。サイモンの「制約された合理性」では、人間は全代替案・全結果を把握できず、限られた情報の中で「満足化(satisficing)」原理に従って意思決定する。
- ア(×=適切):利用可能な全代替案のうち限られた数しか考慮しない。制約された合理性に合致。
- イ(×=適切):最低限の水準(要求水準)を満たす案を見つけた時点で探索を打ち切る=満足化原理。合致。
- ウ(×=適切):各代替案の将来結果に関する知識は不完全・部分的。合致。
- エ(○=最も不適切):全結果を一貫した効用関数で完全に順位づけて持つというのは「完全な合理性(最大化原理)」の前提であり、制約された合理性とは矛盾する。
- オ(×=適切):反復的状況では行動プログラムのレパートリーを作り代替案集合として用いる。サイモンの議論に合致。
よって最も不適切なのは エ。