経済学・経済政策 R05年度 第18問

第18問

情報の不完全性に起因するモラルハザードを軽減することを主な目的として行わ れる事例として、最も適切なものはどれか。

  1. 家電製品の製造業者が、顧客が製品を購入してから一定の期間内までは無償の 保証サービスを提供する。
  2. 企業が投資資金を調達するにあたって、自社が発行する債券への格付けを民間 の格付け会社から取得する。
  3. 被保険者の医療費をカバーする健康保険制度において、保険料の負担が被保険 者である労働者だけでなく、雇用主側にも課せられる。
  4. 保険会社が、契約者であるドライバーが対物事故を起こした場合に、当該事故 に伴う損害費用のうち一定金額を超える部分のみ補償を行う。
  5. 持ち家の所有者が旅行者に宿泊サービスを提供する場合、当該サービス取引の 仲介業者が、住宅の貸し手に過去の利用者によるサービス評価を公表することを 義務付ける。
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正解:

解答:エ

モラルハザードは、契約「後」に相手の行動が観察できないことで生じる規律の喪失(保険加入後に注意を怠るなど)。これを軽減するには、当事者に自己負担・成果連動を課して行動を律する仕組みが有効。契約「前」の情報の非対称性(逆選択)対策とは区別する。

  • ア(×):無償保証は製品品質を伝えるシグナリングで、主に逆選択への対応。
  • イ(×):格付けの取得は発行体の信用情報を投資家に開示する逆選択(契約前)対策。
  • ウ(×):保険料を雇用主にも負担させるのは費用分担の問題で、被保険者の事後行動を律するモラルハザード対策とはいえない。
  • エ(○):損害のうち一定金額を超える部分のみ補償する免責(控除免責)は、契約者に自己負担を負わせ事故防止の注意を促す、モラルハザード軽減の典型例。
  • オ(×):過去の利用者評価の公表は、取引前に相手の質を見極めるための情報開示で、逆選択への対応。

よって

#情報の経済学・行動経済学

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