企業経営理論 R05年度 第20問

第20問

J. G. マーチとJ. P. オルセンが示した組織学習サイクル・モデルにおける不完全 な学習サイクルに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 「曖昧さのもとでの学習」とは、組織の行動がもたらした環境の変化を適切に解 釈できず、個人の信念が修正されないことを指す。
  2. 「傍観者的学習」とは、個人が、環境の変化について傍 かたわ らから観察しているかの ように、自らの行動を変化させないことを指す。
  3. 「迷信的学習」とは、個人が自ら確信している迷信に従って、自身の行動を変化 させ、さらに組織の行動の変化も導こうとすることを指す。
  4. 「役割制約的学習」とは、環境の変化によって自らの信念が変化した個人がその 行動を変化させるものの、そうした変化が自らの役割の範囲内のみにとどまって いることを指す。
  5. 不完全な学習サイクルとは、「環境の変化→個人の行動→組織の行動→個人の 信念」という連結サイクルのいずれかが切断されていることを指す。
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正解:

解答:ア

マーチ&オルセンの組織学習サイクルは「個人の信念→個人の行動→組織の行動→環境の変化→(再び)個人の信念」という完全な循環を前提とし、この連結のどこかが切断された状態を「不完全な学習サイクル」と呼ぶ。切断箇所により4類型に分かれる。

  • ア(○):「曖昧さのもとでの学習」は、組織の行動がもたらした環境変化を個人が適切に解釈できず(環境の変化→個人の信念の連結が切断)、信念が修正されない状態を指す。正しい。
  • イ(×):「傍観者的学習(観衆的学習)」は、個人の信念は環境変化により修正されるものの、それが個人の行動に結びつかない(個人の信念→個人の行動が切断)状態を指す。「自らの行動を変化させない」のは結果だが、起点を「環境の変化を傍観」と説明している点が型の本質(信念は変わるが行動に至らない)とずれており不適切。
  • ウ(×):「迷信的学習」は、個人の行動と組織の行動の連結は機能するが、組織の行動と環境変化の連結が切断され、因果を誤認(迷信的に成功と結びつける)した学習を指す。「自ら確信している迷信に従って行動する」という説明は誤り。
  • エ(×):「役割制約的学習」は、個人の信念は変化するが、役割の制約によって行動に反映されない(個人の信念→個人の行動が切断)状態を指す。「信念が変化し行動も変化するが役割の範囲内にとどまる」という説明は誤り。
  • オ(×):連結サイクルの向きが逆。正しくは「個人の信念→個人の行動→組織の行動→環境の変化→個人の信念」であり、選択肢の連結順は誤り。

よって

#組織文化・組織学習

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