第21問
相殺に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はな いものとする。
- ア 差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え前から有していた差押債務者に対 する債権を自働債権とする相殺をもって差押債権者に対抗することができない。
- イ 相殺の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかの ぼってその効力を生ずる。
- ウ 不法行為から生じた債権を自働債権として相殺することはできない。
- エ 弁済期が到来していない債権の債務者は、その債権を受働債権として相殺する ことができない。
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正解:イ
解答:イ
相殺に関する民法の規律(差押えと相殺・遡及効・不法行為債権・期限の利益)を問う。
- ア(×):差押えを受けた第三債務者は、差押え前に取得した債権を自働債権とする相殺をもって差押債権者に対抗できる(民法511条1項)。「対抗できない」は誤り。
- イ(○):相殺の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時(相殺適状時)にさかのぼって効力を生ずる(民法506条2項、相殺の遡及効)。
- ウ(×):不法行為等により生じた債権を「受働債権」として相殺することは原則禁止されるが(民法509条)、これを「自働債権」とする相殺は可能である。「自働債権として相殺できない」は誤り。
- エ(×):受働債権の弁済期が未到来でも、債務者は自ら期限の利益を放棄できるため、その債権を受働債権として相殺できる(民法505条1項、136条2項)。「相殺できない」は誤り。
よって イ。