第13問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 A社では、X1 年4 月末に以下のような資金繰り表(一部抜粋)を作成した(表中の カッコ内は各自推測すること)。 (単位:万円) 5 月 6 月 前月末残高 1,000 470 経 常 収 支 収 入 現金売上 200 240 売掛金回収 800 800 収入合計 1,000 1,040 支 出 現金仕入 720 ( ) 諸費用支払 510 540 支出合計 1,230 ( ) 収支過不足 -230 ( ) 備品購入支出 300 0 当月末残高 470 ( ) 売上高の実績額および予想額は以下のとおりである。 (単位:万円) 4 月(実績) 5 月(予想) 6 月(予想) 7 月(予想) 1,000 1,000 1,200 1,600 また、条件は以下のとおりである。 ① 売上代金の20 %は現金で受け取り、残額は翌月末に受け取る。 ② 仕入高は翌月予想売上高の60 %とする。仕入代金は全額現金で支払う。 ③ すべての収入、支出は月末時点で発生するものとする。 ④ 5 月末に事務用備品の購入支出が300 万円予定されているが、それを除き、経 常収支以外の収支はゼロである。 ⑤ A社では、月末時点で資金残高が200 万円を下回らないようにすることを、資 金管理の方針としている。
設問1
A社は資金不足に陥ることを避けるため、金融機関から借り入れを行うことを 検討している。6 月末の時点で資金残高が200 万円を下回らないようにするに は、いくら借り入れればよいか。最も適切なものを選べ。ただし、借入金の利息 は年利率5 %であり、1 年分の利息を借入時に支払うものとする。
- ア 190 万円
- イ 200 万円
- ウ 460 万円
- エ 660 万円
設問2
中小企業診断士であるあなたは、A社の経営者から、当座の資金繰り対策とし て銀行借り入れ以外の手段がないか、アドバイスを求められた。6 月末の時点で 資金残高が200 万円を下回らないようにするための手段として、最も適切なもの はどれか。
- ア 5 月に予定されている事務用備品の購入支出のうち半額を現金払いとし、残 額の支払いは7 月に延期する。
- イ 6 月に予定されている諸費用支払のうち400 万円を現金払いとし、残額の支 払いは7 月に延期する。
- ウ 仕入先と交渉して、6 月の仕入代金のうち半額を現金払いとし、残額を買掛 金(翌月末払い)とする。
- エ 得意先と交渉して、5 月の売上代金のうち半額を現金で受け取り、残額を売 掛金(翌月末回収)とする。
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正解: 設問1 イ 設問2 ウ
解答:設問1=イ、設問2=ウ
まず6月末残高を推測する。6月の現金仕入は条件②より翌月(7月)予想売上1,600の60%=960万円。 6月支出合計=現金仕入960+諸費用540=1,500万円。収入合計1,040万円。 6月収支過不足=1,040-1,500=△460万円。備品購入は0。 6月末残高(借入前)=前月末470+(△460)=10万円。
【設問1】借入額 6月末残高を200万円以上にするには、必要な上乗せ=200-10=190万円。借入額Xに対し、年利5%の1年分利息0.05Xを借入時に前払い(差し引かれる)するため、手元に残る純増額は0.95X。 0.95X ≧ 190 → X ≧ 200万円。
- ア(×)190万円:利息前払いを考慮せず純額で190を残すには不足。
- イ(○)200万円:200×0.95=190の純増で、10+190=200となり方針を満たす最小額。
- ウ(×)460万円、エ(×)660万円:過大。
【設問2】銀行借入以外の手段 6月末残高(借入前)10万円を、6月の支出を減らすか収入を増やして200万円以上にできる案を選ぶ。
- ア(×):5月の備品支出を一部7月へ延期する案。6月の備品支出はもともと0であり、6月末残高を直接改善する効果が乏しく、方針達成に不十分。
- イ(×):6月の諸費用540のうち400を現金・残額140を7月へ延期=6月支出を140減らすだけで、6月末残高は10+140=150万円。200に届かない。
- ウ(○):6月の仕入代金960のうち半額480を翌月末払いの買掛金にすれば、6月支出が480減少。6月末残高=10+480=490万円となり、200万円を十分上回る。
- エ(×):5月の売上代金の回収条件を変える案で、影響するのは5月であり6月末残高の改善には直結しない。
よって 設問1=イ、設問2=ウ。