経済学・経済政策 R04年度 第19問

第19問

下図によって、資本移動の自由化の効果を考える。最も単純なケースを想定し て、世界にはⅠ国とⅡ国があり、両国とも生産要素として資本と労働を利用して同 一財を生産しており、労働投入量は一定であるとする。下図で、MPKⅠとMPKⅡ は、Ⅰ国とⅡ国の資本の限界生産物曲線であり、いずれも資本の限界生産物は逓減 すると仮定している(財の国内価格は、いずれも1 とする)。資本市場を開放しない 場合、Ⅰ国とⅡ国の保有する資本量はそれぞれOⅠC とOⅡC であり、このときの 資本のレンタル料はそれぞれrⅠとrⅡである。 資本移動の自由化の効果に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解 答群から選べ。

第19問の図
  1. aとb
  2. aとc
  3. aとd
  4. bとd
  5. cとd
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正解:

解答:ウ

資本の限界生産物曲線MPKⅠ・MPKⅡを左右から描いた図。資本市場を開放しない当初、Ⅰ国のレンタル料rⅠはⅡ国のレンタル料rⅡより低い(rⅠ<rⅡ)。自由化すると、収益率の低いⅠ国から高いⅡ国へ資本が移動し、両国のレンタル料は点Eに対応する共通水準で均衡する。記述a〜dの正誤を判定する。

  • a(○):自由化によりⅠ国からⅡ国へ資本移動が生じ、両国のレンタル料は均衡水準(記号上 r*Ⅰ=r*Ⅱ=点Eの高さ)に収束する。資本移動の方向とレンタル料の均等化を正しく述べており妥当。
  • b(×):資本移動の結果、資本を受け入れるⅡ国では資本量が増えて労働の限界生産物が高まり賃金所得は増加し、資本が流出するⅠ国では逆に減少する。記述はⅠ国とⅡ国の増減が逆になっており誤り。
  • c(×):レンタル所得(資本所有者の取り分)の変化の説明として、面積の対応や増減方向が図と整合せず誤り。
  • d(○):資本がより生産性の高い用途(Ⅱ国)へ再配分されることで、世界全体の産出・所得は三角形EFGの分だけ増加する。資本移動による効率改善の利得を正しく述べており妥当。

正しいのはaとdの組合せ。

よって

#生産者理論・費用

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