第30問
以下は、ベーカリーを3 店舗経営するX氏と中小企業診断士(以下、「診断士」と いう。)との間で行われた会話である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。 X 氏:「創業から自家製パンを販売してきましたが、最近は売上不振の店舗があ り困っています。店舗aは好調に売上を伸ばしていますが、他の店舗は 年々売上が減少しています。」 診断士:「これまでのように3 店舗とも同じ品揃えでは対応が難しくなっているの ではないですか。店舗により品揃えを変えて、売上の悪い店舗では A ことを考えてはどうでしょうか。」 X 氏:「ただ、いつも置いてある商品がなくなると困るお客さまがいるのではな いかと心配で、なかなか難しいです。」 診断士:「例えば、店舗bで最も売上が少ない商品の販売数は、1 日に2 個から3 個 です。1 個も売れていない日もありますね。一方で、一番売れている商品 は、毎日15 個近く売れていて廃棄ロスがほとんどありません。早い時間 に売り切れてしまう日はありませんか。」 X 氏:「確かに午後早い時間で売り切れてしまう日もあるようです。」 診断士:「売れ筋商品が売り切れていると、お客さまは仕方なく他の商品を買うこ とにしたり、買うのをやめてしまったりしているのかもしれません。まず は売れ筋商品が品切れしないように、陳列量を増やしてみませんか。そう することで、 B 売上を増やすことが見込めます。」 X 氏:「では、来週はそのように対応してみます。」 診断士:「良い成果を聞けることを楽しみにしています。」
設問1
会話の中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれ か。
- ア A:多くの新商品を追加で品揃えする B:機会ロスを減らして
- イ A:多くの新商品を追加で品揃えする B:新規顧客を増やして
- ウ A:品揃えする商品数を絞りこむ B:機会ロスを減らして
- エ A:品揃えする商品数を絞りこむ B:新規顧客を増やして
設問2
会話の下線部で診断士がX氏に勧めていたような売上改善の手法として、最も 適切なものはどれか。
- ア カテゴリーアセスメント
- イ カテゴリーマネジメント
- ウ 単品管理
- エ ラインロビング
- オ ロイヤルティ・マーケティング
▼ 解答・解説を見る
正解: 設問1 ウ 設問2 ウ
解答:設問1=ウ、設問2=ウ
売上不振店舗への品揃え見直しと、売れ筋商品の品切れ防止に関する事例問題。
設問1(正解:ウ)
- A=品揃えする商品数を絞りこむ:売上不振店では死に筋(1日2〜3個、売れない日もある商品)を整理し、品揃えを絞り込むのが定石。新商品を多く追加するのは不振店の対応として逆効果。
- B=機会ロスを減らして:売れ筋(毎日15個近く売れ午後早くに品切れ)の陳列量を増やせば、品切れによる販売機会の損失(機会ロス)が減り売上増が見込める。新規顧客増ではなく既存需要の取りこぼし防止である。
したがって A:絞りこむ、B:機会ロスを減らして の組み合わせとなり、ウ。
設問2(正解:ウ)
下線部で診断士は、商品ごとの販売数(1日2〜3個、15個など)という単品レベルのデータをもとに、売れ筋・死に筋を見極めて発注・陳列を調整するよう勧めている。これは個々の単品の動きを把握して管理する 単品管理(POSによる単品ごとの販売動向管理) の手法である。
- ア カテゴリーアセスメント:カテゴリー単位の現状評価で単品レベルの管理ではない。
- イ カテゴリーマネジメント:商品カテゴリーを戦略単位として管理する手法で、単品の品切れ対応とは異なる。
- ウ 単品管理:単品ごとの販売データに基づき品揃え・陳列を最適化する手法で、会話の内容に合致する。
- エ ラインロビング:他業態の商品ラインを取り込む品揃え戦略で無関係。
- オ ロイヤルティ・マーケティング:顧客の固定化を図る手法で無関係。
よって設問2は ウ。